小坂敏彦

小坂 敏彦（こさか としひこ）

概要

1947年9月17日生まれの小坂敏彦は、香川県木田郡牟礼町出身の元プロ野球選手で、投手として読売ジャイアンツと日拓ホームフライヤーズ（現在の日本ハムファイターズ）で活躍しました。彼の野球人生は、早稲田大学で培った技術と精神力に裏打ちされています。

来歴

小坂は小学5年生の頃から野球を始め、やがて中学校から本格的に投手としての道を歩むことになります。高松商業高校では1965年にエースとして春夏の甲子園に出場しました。春の選抜大会では、米子東高校を完封し、PL学園に対しても僅差で勝利を収めるなど、力強い投球を見せつけました。しかし準決勝では市和歌山商業高校に敗れ、夏の甲子園では初戦で三池工業高校にサヨナラ負けを喫しています。当時の三池工業はこの試合を皮切りに全国制覇を達成することになります。

高校卒業後、小坂は早稲田大学に進学。しかし大学時代の前半は制球に苦しむ日々が続きました。それでも、3年生になった1968年、東京六大学野球の秋季リーグでチームが優勝を果たした際、小坂はエースとして大きな役割を果たしました。最終週の早慶戦では2試合連続完投勝利を挙げ、「胴上げ投手」としての栄光を手に入れました。リーグでは通算22勝を記録し、日本代表にも選出されています。

1969年にはドラフトで読売ジャイアンツに1位指名を受けプロ入り。初登板は1970年7月24日で、対大洋ホエールズ戦における救援から始まりました。初勝利は同年7月28日の中日ドラゴンズ戦でした。その後も着実に勝利を重ねるも、1973年にはトレードで日拓ホームフライヤーズに移籍します。

その後、肘に違和感を抱える中でのプレーが続き、1975年にはセーブを記録するも、1976年に4年ぶりの勝ち星を挙げた後、引退を決意しました。引退後はアクセサリー販売会社や保険会社に勤務し、プロ野球からは距離を置く生活を送りました。

選手としての特徴

小坂敏彦は、オーバーハンドから投げる投球フォームが特徴でした。速球やカーブは鋭い切れを持ち、観客を魅了しました。しかし、精神的な制球難に悩まされることも多く、その点が彼のキャリアに影を落としていました。小柄な体格ながらも、彼の投球は多くのファンに支持されました。

記録

小坂のキャリアには多くの記録が残されています。

• - 初登板: 1970年7月24日、対大洋ホエールズ
• - 初勝利: 1970年7月28日、対中日ドラゴンズ
• - 初先発: 1971年7月15日、対阪神タイガース
• - 初完投: 1972年6月23日、対ヤクルトアトムズ
• - 初セーブ: 1975年8月15日、対南海ホークス

彼の背番号は読売ジャイアンツ時代が13、日拓ホームフライヤーズ時代が24でした。

参考文献

• - 織田淳太郎『巨人軍に葬られた男たち』新潮文庫、2003年

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