小坂町立小坂小学校滝上分校

小坂町立小坂小学校滝上分校について

小坂町立小坂小学校滝上分校は、かつて岐阜県益田郡小坂町（現在の岐阜県下呂市）に存在した公立小学校の分校です。小坂小学校の分校として、戦後の開拓事業によって開かれた滝上開拓地の入植者の子どもたちの教育を担っていました。この分校は、地域社会の変遷を色濃く反映した、歴史的な背景を持つ学校でした。

設立の背景

第二次世界大戦後、食糧難の解消と失業者対策のため、全国各地で開拓事業が推進されました。小坂町でも、滝上地区において開拓が行われ、多くの人々が入植しました。1946年（昭和21年）には、滝上地区での開拓が開始され、翌1947年（昭和22年）には13戸の入植者が生活を始めました。入植者の増加に伴い、子どもたちの教育環境を整備する必要性が高まり、分校の設置が求められるようになりました。当初は仮分校として開校し、その後正式に認可されました。

分校の歴史

1950年（昭和25年）4月、滝上地区に仮分校が設置され、1951年（昭和26年）12月には小坂町立小坂小学校滝上分校として正式に開校しました。開校当初は、1年生から3年生までの児童が通学していました。しかし、開拓地の入植者たちは、生活環境の厳しさや様々な事情により、次第に集団で離村していきました。その結果、1962年（昭和37年）4月には児童数が4名にまで減少し、同年10月にはついに児童が0人となりました。

廃校

滝上開拓地の入植者が全て離村したことにより、1963年（昭和38年）3月、滝上分校は閉校となりました。わずか10年ほどの短い歴史でしたが、地域の変遷と、開拓時代の教育事情を物語る存在です。分校の跡地は、その後、公営の滝上牧場として利用されるようになり、現在に至っています。

現在

滝上分校のあった場所は、現在では牧草地となっており、当時の面影はほとんど残っていません。しかし、分校の存在は、地域史を語る上で重要な一部分です。

まとめ

小坂町立小坂小学校滝上分校は、戦後の開拓事業とともに設立され、地域の発展と衰退を見届けた小さな学校でした。短い歴史の中には、開拓者の生活と教育への強い思いが込められています。




参考文献

岐阜県小坂町誌　全　（小坂町誌編集委員会　1965年）　P.419 - 441

関連項目

岐阜県小学校の廃校一覧

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