小坊主

小坊主（こぼうず）

小坊主という言葉は、一般的には若い修行中の僧を指します。寺院に身を置き、仏道修行に励む年若い僧侶のことを指すことが多いでしょう。しかし、この言葉は地域によって異なる意味を持つことがあります。

地域による異なる意味

宮崎県加久藤村永江浦（現・えびの市加久藤区）

宮崎県えびの市加久藤地区では、小坊主は河童の呼称として使われています。河童は、日本の伝承に登場する水棲の妖怪で、頭に皿があり、相撲を好むなどの特徴があります。なぜ小坊主が河童の呼称として使われるようになったのかは定かではありませんが、河童の子供のようなイメージから、そう呼ばれるようになったのかもしれません。

愛媛県宇和島市

愛媛県宇和島市では、小坊主は赤シャグマと呼ばれる妖怪の呼称として使われています。赤シャグマは、赤い毛むくじゃらの体を持つとされる妖怪で、山に出没すると言われています。こちらも、なぜ小坊主が赤シャグマの呼称として使われるようになったのかは明らかではありません。

小坊主という言葉の多義性

このように、小坊主という言葉は、一般的には若い僧侶を指しますが、地域によっては妖怪を指す言葉としても使われています。これは、言葉が時代や地域によって変化していくことを示す良い例と言えるでしょう。言葉の意味を理解する際には、文脈や地域性を考慮することが重要です。

小坊主という言葉は、日本の豊かな文化と伝承を反映した、興味深い言葉の一つです。若い僧侶、河童、赤シャグマ。これらの異なるイメージが、一つの言葉に共存していることは、言葉の奥深さを感じさせます。

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