小型シート

小型シートとは

小型シートとは、切手の販売・配布形態の一つで、通常の切手シートよりも小さいものを指します。主に切手収集家向けに発行され、1枚または複数枚の切手を大きな余白（耳紙）で囲んだ形式が特徴です。多くの場合、記念切手や特殊切手として発行されます。

小型シートの概要

通常、切手はシート、切手帳、コイル切手の形態で発行されます。シートは、切手の印刷後に郵便局での販売・保管に適したサイズに裁断されたもので、数十枚から数百枚の切手で構成されています。小型シートは、このシートの一種で、コレクションアイテムとしての側面が強いです。

世界で最初に小型シートを発行したのはルクセンブルクで、1923年の王女生誕記念のものが最初とされています。この切手は高額であり、通常郵便には使用されませんでした。その後、各国で様々なデザインの小型シートが発行されるようになりました。

コレクションアイテムとしての性質上、小型シートは未使用のまま保管されることが多く、無目打（目打ちがない）のものも少なくありません。デザインも、既存の切手を組み合わせたものから、シート全体で一つのデザインを表現したものまで多岐にわたります。

額面以上の価格で販売されたり、サイズが大きすぎて通常郵便に使用できなかったり、高額な額面が設定されているものもあります。形状も四角形だけでなく、蝶や動物を模した変形小型シートも存在します。

日本における小型シート

初期の小型シート

日本で最初の小型シートは、1934年発行の「逓信記念日制定記念」です。当時は「組合せ郵便切手」と呼ばれ、航空切手4種を組み合わせたものでした。発行枚数が少なく、高額であったため、現在では非常に高価なものとなっています。

1936年からは、国立公園を描いた特殊切手を組み合わせた小型シートも発行されました。これらは特製の台紙に挟まれて販売されました。また、1935年発行の最初の年賀切手も、20枚構成のシートが通信販売され、小型シートとみなされています。

戦後直後の小型シート

1946年から1949年にかけては、地方で開催された切手展を記念して、特製小型シートが数多く発行されました。多くは普通切手を組み合わせたものでしたが、一部例外もありました。これらの安易な発行は、一部の切手収集家から批判されました。

現在の小型シート

近年では、記念切手を1、2枚だけ収めた小型シートの発行はほとんどありません。しかし、記念切手が大きな余白にデザインを印刷した10枚シートの形式で発行されることが多く、これも小型シートの一種と見なせるでしょう。

年賀切手小型シート

日本で代表的な小型シートとして、お年玉付き年賀はがきの賞品である「切手シート」があります。これは年賀はがきや年賀切手の末等賞品として配布されるもので、年賀切手が収められています。

1950年から発行され、当初は年が明けた1月に発行されていましたが、私製年賀郵便に使えるようにするため、1954年からは前年の12月に発行されるようになりました。シートの内容は時代によって異なり、はがき料金の切手や封書の最低料金の切手が収められています。

年賀シートは原則としてくじの当選者にのみ配布されていましたが、近年では一般向けにも販売されるようになりました。

夏のおたより郵便葉書賞品の小型シート

かつては、夏のおたより郵便葉書（かもめ〜る）にも年賀はがきと同様に小型シートが賞品として付いていましたが、2020年をもって発売自体が終了しました。

まとめ

小型シートは、切手収集の世界において独自の地位を築いています。その歴史は古く、デザインや形態も多様で、コレクションの対象として多くの人々を魅了しています。

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