小場義成

小場義成（おば よしなり）

小場義成は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、佐竹氏一門の佐竹西家7代当主です。出羽国久保田藩の大館初代所預を務めました。

生涯

永禄12年（1569年）、常陸国の戦国大名・佐竹氏の一族、小場義宗（義家）の子として生まれました。父・義宗は佐竹義昭の三男で、小場義忠の婿養子となっています。小場氏は佐竹氏の中でも重要な家柄であり、義成もその血筋を受け継ぎました。

慶長5年（1600年）、主君・佐竹義宣から常陸小田城を与えられ、5万石を領しました。これは義成の武将としての能力と家柄が評価された結果と言えるでしょう。しかし、慶長7年（1602年）、佐竹氏が江戸幕府の命により秋田へ転封となると、義成もその命に従い、東家の佐竹義賢（佐竹義久の子）と共に、先遣隊として檜山城を守備しました。

慶長8年（1603年）には、領内で浅利氏の残党が蜂起しますが、義成はこれを鎮圧し、その軍事的な手腕を証明しました。その後、慶長15年（1610年）には、南部氏や津軽氏への抑えとして、大館城を任され、5000石を給されました。これは、義成が佐竹氏にとって重要な国境警備の要を担っていたことを示しています。

慶長19年（1614年）には、大坂冬の陣に参戦し、武将としての役割を果たしました。元和8年（1622年）には、出羽山形藩の最上義俊が改易となると、幕命により本荘城、滝沢城の受け取りの任を務め、その行政手腕を発揮しました。

寛永6年（1629年）2月、佐竹家が江戸城神田橋の石垣普請を命じられると、義成はその監督を務めました。この大工事を成功させた後、江戸城で2代将軍・徳川秀忠に拝謁し、時服と虎皮投鞘の槍を賜りました。これは、義成の功績と信頼の厚さを示すものでしょう。

寛永11年（1634年）10月27日、小場義成は66歳で亡くなりました。その生涯は、戦国時代から江戸時代への激動期を駆け抜けた武将としての姿を今に伝えています。

関連事項

大館八幡神社: 小場義成が深く関わったとされる神社です。地域住民からの信仰も篤く、現在もその歴史を伝えています。
遍照院: 小場氏の菩提寺であり、義成の死後もその遺徳を偲ぶ場所となっています。

出典

* 『秋田小学軌鑑』国会図書館所蔵

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