小塚明朝

小塚明朝（こづかみんちょう）は、アドビが制作した明朝体の和文OpenTypeフォントです。このフォントは、小塚昌彦氏が制作指揮を務め、Adobe ReaderなどのAdobe製品に標準で付属しています。特に、Pr6Nバージョンは異体字セレクタに対応しており、より高度な文字表現を可能にしています。

歴史

小塚明朝は、1998年1月下旬にCID-Keyed Fontファイルフォーマットを採用したAdobe Type Library 2.0J初のオリジナルフォントとして出荷されました。アドビはそれまで62書体の欧文書体を発表していましたが、和文書体の開発は小塚明朝が初めてでした。当初、用意されたウェイトはEL（Extra Light）、L（Light）、R（Regular）、M（Medium）、B（Bold）、H（Heavy）の6種類で、すべてコンピューター上で制作されたため、紙の原字は存在しません。その後、DTPソフトのAdobe InDesignにOpenType版の小塚明朝Pro（L）がバンドルされるようになりました。

2007年には、本フォントの制作者である小塚昌彦氏が『日本タイポグラフィ年鑑』の第6回佐藤敬之輔賞を受賞し、その功績が称えられました。

バージョン

小塚明朝には、いくつかのバージョンが存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。

Std: Adobe-Japan1-3に対応しており、9,354のグリフを含んでいます。
Pro: Adobe-Japan1-4に対応しており、15,444のグリフを含んでいます。より多くの文字や記号が利用可能です。
Pr6N: このバージョンは、(1)Adobe-Japan1-6に対応、(2)JIS2004基準の字体に対応、(3)IVS（Ideographic Variation Sequences：異体字セレクタ）に対応という3つの大きな特徴があります。23,058のグリフを含み、より豊かな文字表現が可能です。

関連事項

小塚明朝と対をなすフォントとして、小塚ゴシックも存在します。両フォントは、デザインの調和が取れており、組み合わせて使用することで、より洗練された表現が可能になります。

脚注

小塚明朝は、デジタルフォントの先駆けとして、その後のフォントデザインに大きな影響を与えました。特に、Adobe製品に標準で搭載されているため、多くのユーザーに利用されており、そのデザイン性と機能性が高く評価されています。

外部リンク

小塚明朝 - Adobe Fonts
* 展示会・シンポジウム 参加者プロフィール - 女子美術大学

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