小太刀術

小太刀術について

小太刀術（こだちじゅつ）は、脇差を用いる特有の剣術であり、一般的には「小太刀」とも呼ばれます。しかし、その名称は小太刀自体を利用することを意味するだけでなく、打刀に比べて短い刀を使用することから、「太刀」という剣術の名称に小の字を付け加えたものです。このため、小太刀とは短刀に近い存在を指します。

小太刀術の起源は、歴史的に脇差が広く用いられた時代にさかのぼります。このため、脇差を用いる技術全般を指し示すものと考えられています。流派ごとに稽古に使用される木刀のサイズは異なり、これらは各流派の成立時における脇差や小刀のサイズに影響されています。戦国時代には小刀の長さも長かったものの、時代が進むにつれてその傾向は短小化していきました。

小太刀術は、専門的な剣術流派として存在するのは稀で、通常は剣術全般に付随していることが多いです。ただし、全ての流派に小太刀術が含まれているわけではありません。小太刀術の多くは「入り身」を基盤にしており、柔術的な技法を取り入れている場合も見受けられます。

日本で有名な小太刀術の流派には、中条流やその流派から派生した富田流があります。さらに、剣道の中にも小太刀の技が存在しますが、現代ではあまり稽古されていないのが実情です。明治時代には、旧日本陸軍によって日本の伝統的槍術を基にした日本式銃剣術が制定されました。1921年（大正10年）には、陸軍戸山学校で小太刀術を元にした短剣術（現 短剣道）が制定されました。短剣術は現在、武道の一形態として行われており、銃剣道の一部として全日本銃剣道連盟が統括しています。

また、小太刀術の技法を応用した形で、護身術やスポーツとしても利用されているのがスポーツチャンバラです。このように、小太刀術は歴史的背景と共に、その技法や形は多様であり、武道の一環として日本の文化に深く根ざしています。

関連項目

• - 日本刀
• - 打刀
• - スポーツチャンバラ

外部リンク

• - 短剣道とは

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