中条流

中条流（ちゅうじょうりゅう）

中条流は、中条長秀が開祖となる武術の流派であり、その特色として短い太刀を使用した剣術が挙げられます。この流派は、剣術以外にも槍術などの技術を伝承していることでも知られています。また、「平法中條流」とも呼ばれることがあります。

歴史について

中条流の創始は、室町時代に遡ります。当時の京において、中条長秀は自らの工夫を加え、中条家に伝わる刀法と念流を融合させたとされています。彼の師である念阿弥慈恩が鞍馬山で修行を重ねていた背景から、中条流は京都八流の影響を受けた剣術として位置づけられています。長秀の子孫は、彼の流派を受け継ぐことなく断絶しましたが、流儀自体はその後、他の武士に受け継がれました。

特に長秀の弟子、甲斐豊前守広景が彼の教えを受け継ぎ、その門人である大橋勘解由左衛門高能を経て、山崎右京亮昌巖へと流派は引き継がれました。しかし、昌巖は戦により戦死し、彼の弟子である冨田九郎左衛門長家が昌巖の子孫に対して中条流の教えを伝えました。その後、冨田家では長家からの子孫である冨田勢源、さらにその子冨田景政が中条流を受け継ぎ、発展させました。

多くの場合、冨田流と称されることがありますが、山崎家や加賀藩においては、冨田家に次いで中条流が伝承されていました。このように、山崎家の流派は昭和の初めから中頃にかけて存続し続けましたが、現在では失伝しているとのことです。

また、中条流は後の一刀流や冨田流（戸田流や當田流など）など、多くの著名な流派の起源ともなりましたが、中条流の正確な記録については後世に誤伝が多く、歴史的な資料に基づく確認が必要です。

形と特徴

中条流の技術に関する記録には、約60センチメートルほどの短い太刀を用いて、刃長が1メートルを超える長い太刀と戦う形が伝えられています。この内容は山崎家や富山県、石川県に残る古文書に基づいており、特に三十三本の型を中心に多様な技術が伝承されています。また、短刀を使用する小具足のような技や槍、さらには長刀の技術も含まれています。

このように、中条流は武士たちに重視され、多くの技術をもって武道の世界において重要な役割を果たしてきました。中条流が残した技術と歴史は、今後の研究においてさらなる発見の可能性を秘めています。

参考文献

• - 小島英煕『素顔の剣豪たち』（日本経済新聞、1998年）
• - 中井一水『日本伝承武芸流派読本』（新人物往来社、1994年）
• - 綿谷雪『図説・古武道史』（青蛙房、2013年）
• - 渡辺誠『歴史読本 特集 秘伝！武芸流祖録』（新人物往来社、1993年）

関連項目

• - 冨田流
• - 鐘捲流
• - 一刀流
• - 戸田一刀流
• - 巌流
• - 東軍流
• - 念流

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