小山宙丸

小山 宙丸の生涯と業績

小山 宙丸（こやま ちゅうまる、1927年8月28日 - 2006年9月22日）は、日本の著名な哲学者でした。彼は早稲田大学の第13代総長を務め、その後名誉教授としても名を馳せました。東京都北区に生まれ、実家は長年東京都内で唯一の造り酒屋として知られる小山酒造でした。この酒造は2018年に酒造業から撤退しました。

学歴と専門領域

彼は第一早稲田高等学院文科を経て、1951年に早稲田大学文学部西洋哲学専攻を卒業しました。その後、1953年に大学院文学研究科修士課程を修了し、次いで1956年には博士課程を単位取得退学しました。その年、早稲田大学第一文学部で助手としてキャリアをスタートさせます。彼は1960年に専任講師に昇進し、その後1963年に助教授、1969年には教授に就任しました。

総長としての業績

1990年には早稲田大学の総長に就任しました。在任中の1994年、彼は外交官・杉原千畝の業績に感銘を受け、杉原の妻を訪れて顕彰状を手渡しました。この一件により、杉原は早稲田大学の校友として尊重されることになりました。

彼は1994年に総長職を退任し、その後1997年には白鷗大学において学長としての役割を引き受け、2006年まで在職しました。その傍ら、1998年に早稲田大学を定年退職し、名誉教授として名を残しました。

晩年と思想

彼はカトリックに改宗し、晩年は「キケロ『義務』とは何か」というテーマに思索を巡らしました。2006年9月22日に肺炎により亡くなると、10月18日と31日にはそれぞれ白鷗大学と早稲田大学で大学葬が執り行われました。彼の死後、叙従三位、瑞宝大綬章が追贈されました。

著作と業績

小山宙丸は多くの著書を残しており、代表的なものには『概説宗教学』や『比較宗教哲学への道程』があります。他にも、編著や共編著として数多くの書籍があり、たとえば『聖書をめぐる九の冒険』や『ヨーロッパ中世の自然観』などがあります。また、外国の著作を日本語に訳す作業も行っており、フリードリッヒ・ヘーアの『ヨーロッパ精神史』やM.P.ニルソンの『ギリシア宗教史』などがあります。

彼の研究は哲学や宗教学の分野に広がり、比較思想や倫理の考察に貢献しました。彼の業績と生涯は、学問の世界に大きな影響を与え、多くの後進の学者に道を示しました。これからも彼の哲学的思索は、学問の発展に寄与し続けることでしょう。

もう一度検索