小山清

小山 清の生涯と業績

小山 清（こやま きよし）は、1911年10月4日に東京府の浅草区新吉原で生を受けた日本の小説家です。彼は、文学の巨星・太宰治の門人としても知られ、その作品群は近代日本文学に深い影響を与えました。

幼少期と教育

小山の家庭は、貸座敷業を営む兼東楼という家族経営のビジネスがありましたが、彼の父親は盲目であり、家業とは別に義太夫を謡う生活を送っていました。彼は府立三中を経て明治学院中等部を卒業し、18歳の時には洗礼を受けたものの、数年後には脱会します。この時期の彼は、人生に対する多くの悩みや探求を抱えていました。

文学との出会い

母の死後、彼の家庭は離散し、悲劇的な状況に見舞われますが、作家の島崎藤村の支援で日本ペンクラブ初代書記に選ばれました。しかし、公金を不正利用したことから、水戸刑務所に8ヶ月服役することになります。この経験を経て、彼は何度も転機を迎え、1940年には太宰治の門人となります。太宰が疎開している間、彼は太宰宅の留守を預かります。

戦後と作家活動

第二次世界大戦終結直後、彼は夕張の炭坑で働きながら生活を支えました。このとき、太宰治が亡くなり、彼は追悼文「風貌」を執筆し、故人への深い思いを表現しました。彼の作品には、『文學界』に掲載された「小さな町」や『新潮』の「落穂拾ひ」など、私小説が多く含まれています。これらの作品により、彼は作家としての確固たる地位を築きました。

家庭と晩年の生活

1952年、小山は18歳下の関房子と結婚しました。彼には二人の子供が生まれ、長女と長男が誕生しますが、家庭生活は決して順調ではありませんでした。1956年には同人誌「木靴」を創刊し、後に芥川賞受賞者も参加するなどの活動を行いました。しかし、1958年には心臓疾患による脳血栓の影響で失語症を患います。生活保護を受ける中、彼は妻の経済的支えに依存する日々を送りました。

妻は精神的苦痛から自殺に追い込まれてしまい、小山は厳しい状況に直面します。しかし彼はリハビリを行いながら執筆活動を続け、1965年には誌上に掲載された最後の作品「老人と孤独な娘」で締めくくりました。彼は急性心不全により1965年3月6日に53歳で亡くなります。

著作と影響

小山清の著作には、『落穂拾ひ』や『小さな町』、『犬の生活』などがあります。彼はまた太宰治に関する編纂にも携わり、多くの作品や伝記を残しました。彼の作品は、彼自身の経験や感情を反映したもので、読者に深い共感を与えます。

小山清は、文学界において独自の存在感を持ち続けました。彼の作品は今もなお、多くの読者に影響を与えています。

もう一度検索