小山鞆絵

小山 鞆絵

小山鞆絵（おやまともえ）は、1884年10月14日に埼玉県北足立郡鴻巣宿に生まれた、日本の哲学者です。彼は昭和時代にかけて活躍し、特にヘーゲル哲学の研究者として知られています。彼の功績は、東北大学で名誉教授としての地位を築き、独自の弁証法哲学を展開した点にあります。

経歴

出生と学生時代

小山は、名門の家系に生まれ育ちました。彼の家系は平安時代に武蔵国に本領を持ち、藤原秀郷の末裔とされています。大学時代には東京帝国大学文科大学で哲学を学び、ドイツ哲学を専門としました。特に、ラファエル・フォン・ケーベルの指導の下で学び、同級生には安倍能成や伊藤吉之助など後の著名な哲学者がいました。1909年に卒業した後、彼は多くの教育機関で教鞭を執りました。

大学でのキャリア

卒業後、小山は海軍大学校や慶應大学、東北帝国大学の理学部などで講師として活躍しました。1915年、彼は政治家板垣退助の娘、良子と結婚しました。1921年にはヨーロッパ留学を果たし、1923年に帰国すると、東北帝国大学の文科の初代教授として任命されることになります。彼はここで哲学第三講座を担当し、西洋近世哲学史を教えるほか、ヘーゲル研究に基づいた彼自身の弁証法哲学を展開しました。

1946年に退官し名誉教授となった後も、彼の探求心は衰えることがなく、特に1950年には学位論文『弁証法に関する考察』を提出し文学博士号を取得しました。93歳で1976年12月3日に亡くなるまで、彼は哲学に対する情熱を持ち続けました。

研究内容と業績

小山の専門は主に西洋哲学であり、特にヘーゲル哲学に基づく新ヘーゲル主義の研究を行いました。彼の研究は、弁証法の観点から哲学を再構築するものであり、多くの後進の哲学者たちに影響を与えました。著作としては、1933年に出版された『新ヘーゲル主義』や、1949年の『自覚と弁証法』があり、これらの作品で彼の哲学的視点が広く知られるようになりました。

また、学術論文として「ベルグソンの「時間と自由意志」」や、「哲学と哲学史」といったものがあり、彼の哲学的思考を深く探求したものと評価されています。

家族・親族

小山は、家族の背景も注目されるもので、彼の妻である良子は著名な政治家である板垣退助の娘です。子供には、小山海運社長を務める三男の朝光がいます。

まとめ

小山鞆絵の哲学的な業績や教育活動は、彼の研究テーマであった哲学のみならず、日本の哲学界全体に多大な影響を与えました。彼の教えは、現代でも多くの哲学者に受け継がれており、その足跡は今日の哲学研究にも色濃く残っています。

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