小嶋淳司

小嶋淳司：外食産業のパイオニア、がんこフードサービスの軌跡

小嶋淳司氏は、1935年和歌山県生まれ。高校時代から家業の雑貨屋を手伝い、同志社大学経済学部卒業後は寿司店で修業を積みました。そして1963年、大阪十三に4.5坪の寿司店「がんこ寿司」を開店。これが後に一大外食チェーンへと成長するがんこフードサービスの始まりです。

店名「がんこ」は、小嶋氏の学生時代のあだ名に由来しています。この名前が示すように、彼は信念を貫き、独自の経営哲学で事業を拡大していきました。創業当初から徹底した顧客重視と、社員育成を重視した経営は、がんこフードサービスの成長を支える重要な柱となりました。

小嶋氏は、単なる経営者としてだけでなく、業界を牽引するリーダーとしても活躍しました。大阪外食産業協会会長、日本フードサービス協会会長を歴任し、業界の発展に貢献。関西経済同友会代表幹事として、地域経済の活性化にも尽力しました。さらに、なにわ淀川花火大会会長なども務め、多方面でリーダーシップを発揮しました。

彼の経営手腕は高く評価され、数々の栄誉にも輝きました。平成17年春の褒章では藍綬褒章、平成22年秋の叙勲では旭日中綬章を受章。その功績は、日本の外食産業の歴史に刻まれるものとなりました。

しかし、順風満帆な経営人生ではありませんでした。2021年には賞味期限改竄問題を受け、がんこフードサービス会長を辞任。企業経営の難しさ、責任の重さを改めて認識させられる出来事となりました。

小嶋氏の経営哲学は、数々の著書にも反映されています。『儲かってまっか! がんこ流人育て心得帖』は、彼の経験に基づいた人材育成のノウハウが惜しみなく書かれたベストセラーとなりました。他にも、彼の経営理念や人となりを知るための書籍が多数出版されています。

小嶋淳司氏の生涯は、まさに「がんこ」という言葉が象徴する、信念と努力の人生でした。彼の経験と哲学は、多くの経営者や後進にとって貴重な財産となるでしょう。困難に直面しながらも、常に前を向いて歩み続けた彼の生き様は、現代社会においても大きな示唆を与えてくれます。

主な経歴

1935年：和歌山県生まれ
1963年：「がんこ寿司」開店
1969年：がんこフードサービス設立、社長就任
1995年～：大阪外食産業協会会長
2001年～：日本フードサービス協会会長
2005年：がんこフードサービス会長就任
2005年：藍綬褒章受章
2006年～2007年：関西経済同友会代表幹事
2011年：旭日中綬章受章
2021年：がんこフードサービス会長辞任

主な著書

『儲かってまっか! がんこ流人育て心得帖』 (ISBN 4822219526)

テレビ出演

日経スペシャル カンブリア宮殿（2018年11月22日、テレビ東京）

小嶋淳司氏の波瀾万丈な人生と、彼が築き上げたがんこフードサービスの成功物語は、日本の外食産業史における重要な一章として、これからも語り継がれていくことでしょう。彼の経営哲学は、多くのビジネスパーソンにとって、貴重な学びと示唆に富むものと言えるでしょう。

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