小川榮太郎

小川榮太郎

小川榮太郎（おがわ えいたろう）は、1967年生まれの日本の評論家。文芸評論を中心に活動し、一般社団法人日本平和学研究所の理事長や健康食品・雑貨販売会社「株式会社高栄」の社長も務めています。専門は近代日本文学、19世紀ドイツ音楽。

来歴と活動

千葉県立千葉高等学校、大阪大学文学部美学科を経て、埼玉大学大学院修士課程を修了。大学院では長谷川三千子の指導を受けました。初期には川端康成の『古都』などを研究。

大阪大学在学中に文芸同人誌「一粒の麥」を発刊・主宰し、文壇での活動をスタート。1998年には一般社団法人日本経済人懇話会の青年部「青年真志塾」の幹事長に就任。2012年に初の単著『約束の日―安倍晋三試論』を出版以降、評論家としての活動を本格化させました。

2015年8月には初評論集『小林秀雄の後の二十一章』を出版。同年10月には「一般社団法人日本平和学研究所」を設立し、理事長に就任。2017年には第18回正論新風賞を受賞。2018年には「天皇の平和 九条の平和 ―安倍時代の論点―」で第一回アパ日本再興大賞特別賞を受賞。2019年には第12回「真の近現代史観」懸賞論文優秀賞を受賞するなど、保守派の論客として知られています。

人物像と主張

歴史的仮名遣いを重視しており、「正しい日本語を残す意味で大事」と考えています。GHQによる占領期の表音主義導入には批判的です。

文芸批評においては、小林秀雄の正統な後継者として、精神と言葉の再生に挑むと自認。『作家の値うち』では、現役作家の作品を批評しています。

クラシック音楽にも造詣が深く、「フルトヴェングラーとカラヤン クラシック音楽に未来はあるのか」では、音楽への深い愛情を込めて両巨匠を論じています。

2021年には「日本文化サロン」を創設し、文化の豊かさを国力に直結させるという理念のもと、表現者、批評家、プロデューサー、パトロンの出会いの場を提供することを目指しました。（現在は活動を停止しています。）

講演活動も積極的に行っており、歴史認識や憲法改正、日本の現状について独自の視点から語っています。

安倍晋三元首相との関係は深く、著書の出版を支援されたり、政策に関するアドバイスを送るなど、親交がありました。安倍元首相の国葬についても、早期に決断するよう進言したと報じられています。

日本会議との関わりも深く、憲法改正を目指す団体の代表発起人を務めるなど、その活動を積極的に支援しています。

係争

森友学園・加計学園問題を巡る著書で、朝日新聞から名誉毀損で訴えられ、一部敗訴が確定しています。

その他

LGBTに関する主張や、元TBS記者山口敬之氏の事件に関する発言が、物議を醸したこともあります。また、放送法遵守を求める視聴者の会の事務局長を務めていましたが、後に退任しています。

著作

多数の著書があり、安倍晋三元首相に関するもの、歴史、文芸評論、音楽評論など、幅広いテーマで執筆活動を行っています。

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