小川清 (通信技術者)

小川清について

小川清（おがわ きよし、1954年 - ）は、日本の技術者であり、特に情報処理分野における国際規格の策定に大きく貢献した人物です。その幅広い知識と経験は、ソフトウェア開発からプロセス改善、さらには情報セキュリティに至るまで多岐にわたります。

生い立ちと学歴

1954年に岐阜県で生まれた小川清は、1973年に愛知県立旭丘高等学校普通科を卒業後、1981年に法政大学経済学部を卒業しました。その後、名古屋工業大学電気工学科に編入し、1986年に卒業。さらに、静岡大学理工学研究科博士課程後期設計工学専攻に進み、工学博士の学位を取得しました。

職歴

1976年、小川清は名古屋市水道局に入局し、技術者としてのキャリアをスタートさせました。1986年には名古屋市工業研究所に異動。2020年には株式会社アテックに入社し、現在に至ります。

国際規格への貢献

小川清は、国際規格や日本産業規格の制定において、重要な役割を果たしました。情報処理学会情報規格調査会SC7幹事/WG10主査・幹事、日本規格協会委員、JISA技術委員会標準化委員など、数々の要職を歴任し、情報処理分野の標準化に尽力しました。

特に、情報処理学会情報規格調査会SC7WG10幹事の役職は、IBMを退職した新谷勝利氏から、SC7WG10主査は創価大学教授の藤野喜一氏から引き継いだものです。また、ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504 Part2 EditorとISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504 Part1 Editorは、伏見諭氏と同時期に担当しました。IPA SEC連携委員としては、プロセス改善ナビゲーションガイドの出版に貢献し、JAXA/IPAクリティカルソフトウェアワークショッププログラム委員長を第8回から第15回まで務めました。

1980年代には名古屋工業大学通信シミュレータ移植、1990年代にはVZ_EditorのN5200への移植などのプロジェクトにも関わりました。

その他の活動

小川清は、新谷勝利氏がAFS(American Field Service)事務局長として、愛知県立旭丘高等学校の2年生がアメリカで射殺された事件を基に設立された「YOSHI基金」を支援していたことを知り、旭丘ポータルサイトにYoshiの会のリンクを掲載しました。

受賞歴

長年の標準化活動への貢献が認められ、以下の賞を受賞しています。

2009年10月：環境技術局長賞 標準化貢献（経済産業省）
2007年10月：標準化貢献賞（日本規格協会）
2004年7月：標準化貢献賞（情報処理学会）

著作活動

小川清は、技術分野に関する著作活動も精力的に行っています。その著書は、ソフトウェア開発からデータベース、組み込みシステム、さらには文学フリマガイドブックに至るまで、幅広い分野をカバーしています。

主な著作には以下のものがあります。

『自主研究実践ハンドブック―地方自治体活性化のために』（共著、総合労働研究所、1984年）
『エントロピー読本 (2)』（共著、日本評論社、1985年）
『データベース検索技術者認定試験　傾向と対策　1級・2級』（共著、日外アソシエーツ・紀伊国屋書店、1993年）
『Microsoft Exchange活用ガイド―アドバンストリファレンス』（技術評論社、1996年）
『共通フレーム98―SLCP‐JCF98〈1998年版〉ソフトウェアを中心としたシステム開発および取引のための共通フレーム国際規格適合』（共著、通算資料調査会、1998年）
『新 科学の本っておもしろい』（共著、連合出版、2003年）
『組込み開発者におくるMISRA‐C―組込みプログラミングの高信頼化ガイド』（共著、日本規格協会、2004年）
『組込みソフトウェアレポート 2006』（共著、翔泳社、2006年）
『組込み開発者におくるMISRA‐C:2004―C言語利用の高信頼化ガイド』（共著、日本規格協会、2006年）
『組込みシステム開発事例集』（共著、工業調査会、2006年）
『計画者の一日、文学フリマガイドブック2016年春（通算第9号）』（共著、文学フリマガイドブック編集委員会、2016年）

研究活動

小川清は、研究活動にも積極的に取り組み、通信プロトコル、組み込みシステム、プロセスアセスメントなど、多岐にわたる分野で研究成果を発表しています。近年の研究テーマには、IoT、深層学習、安全工学などが含まれており、これらの分野での貢献も期待されています。

論文・雑誌記事

技術 ソフトウェア・プロセス・アセスメント(SPA)の概観 JISA : Bulletin (60) 2000.12 p.3～8, 伏見 諭, 小川 清
座談会 我が国におけるCMMの導入について (特集 'Capability Maturity Model'(能力成熟度モデル)って何?), 伏見諭, 小川清, 田原 幸朗, 久野 茂, 堀田勝美, 機械振興 33(10) (通号 389) 2000.10 p.6～27
想定外を減らす11 個の「魔法の言葉」, 小川清, 月刊 技術士 ISSN 03891488, 2017年2月号, pp16-19

講演

ソフトウェア開発におけるHAZOP入門 JASST Shikoku 2019 小川 清（名古屋市工業研究所）柏原 一雄（デンソークリエイト）JaSST'19 Shikoku

編集

ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504 part 2 Process Assessment, ISO, 2004
ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504 TS part 9 Process Assessment, ISO, 2011
ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504 part 6 Process Assessment, ISO, 2013
プロセス改善ナビゲーションガイド、ベストプラクティス編、新谷勝利, 小川清, 片平 真史, 伏見諭ら

翻訳

JIS X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504-1：2004) 情報技術−プロセスアセスメント−第 1 部：概念及び用語
JIS X0145-2：2008(ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504-2：2003)情報技術−プロセスアセスメント−第 2 部：アセスメントの実施
JIS X 0145-3:2011(ISO/IEC 15504|ISO_IEC 15504-3：2004) 情報技術―プロセスアセスメント―第３部：アセスメント実施の手引

関連情報

ISO/IEC_15504
情報サービス産業協会

外部リンク

researchmap
* Qiita

小川清は、その長年の経験と幅広い知識を活かし、日本の技術進歩に貢献し続けています。

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