小幡治和

小幡治和の生涯と功績

小幡治和（おばた はるかず）は、1905年1月2日に生まれ、1998年7月29日に亡くなった、日本の政治家および内務官僚です。彼は昭和の時代に福井県の知事を務め、また参議院議員としても2期活躍しました。福井県知事としての在任中には、福井県のシンボルとなる県章や県民歌を制定しました。

経歴

小幡治和は、1928年に東京帝国大学の法学部を卒業後、内務省に入省しました。彼はもともと大阪府の経済部長や内務部長、近畿地方行政事務局の次長といった重要な職務を歴任しました。1946年10月4日、彼は福井県知事に就任し、実質的に最後の官選知事としてその職を全うしました。

1947年4月には、地方自治法の施行に伴い行われた初の福井県知事選挙で当選を果たしました。同年10月には、昭和天皇が戦後の巡幸で福井県に訪れた際に随行役として参加しました。このような経験により、小幡は福井県の発展にも大きく寄与しました。

彼は1955年に知事を2期終えて退任後、同年3月10日には参議院議員福井県選挙区の補欠選挙に無所属で出馬し、見事に当選しました。その後自由民主党に入党し、参議院で2期の間に副幹事長や第2次岸改造内閣で防衛政務次官を務めるなど、重要なポジションで活躍しました。

俳人としての活動

政治家としての顔だけでなく、小幡治和は俳人としても知られていました。彼は「小幡九龍」という俳号を持ち、伊藤柏翠や高浜虚子に師事して、俳人協会に所属していました。このように、文学的活動にも積極的に参加し、彼は自身の句集も出版しています。

受賞歴と晩年

彼の功績は評価され、1975年の春の叙勲で勲二等旭日重光章を受章しました（これは勲四等からの昇叙です）。また、1980年には草樹会理事長杯を受賞しました。1998年7月29日、93歳という長寿を全うし、東京都港区の虎の門病院で呼吸不全により死去しました。彼の死去に際して、正五位から正四位へと昇叙されました。

親族

小幡治和の父は内務官僚だった小幡豊治であり、次男の小幡喬士は富士通パーソナルズの社長を務めています。世代を超えた影響力を持つ家族としても知られています。

著書

彼は著述家としても活動し、主な著書には『素顔の欧米』や『欧米百句』、さらに『臥龍梅』などがあります。これらの著作はいずれも彼の経験や視点に基づいた内容であり、後世にわたって多くの読者に影響を与えています。

小幡治和はその多岐にわたる活動と業績によって日本の歴史に名を刻む人物であり、今なおその働きかけは多くの人々に記憶されています。

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