小張木

小張木（こばりのき）は、新潟県新潟市中央区に所在する地域名称です。現在の行政地名は、小張木一丁目から小張木三丁目に区分されており、全域で住居表示が実施されています。この地域の郵便番号は950-0942です。

この地名は、古くは江戸時代に開発された小針木新田の一部に端を発しています。明治時代に入り、1889年（明治22年）からは大字としてその名が見られるようになり、その後2002年（平成14年）に現在の町名となりました。

地理的には、信濃川の下流右岸に位置し、広大な鳥屋野潟の北側に面しています。周囲は水田地帯から市街地へと変貌を遂げた地域であり、小張木もまたその変化を経験してきました。

歴史を遡ると、小張木の開発時期については複数の記録が存在します。一説には1623年（元和9年）に始まったとされますが、別の記録では1645年（正保元年）の開発とする記述も見られます。いずれにせよ、江戸時代前期にこの地の開墾が進められたことがうかがえます。明治時代になり、1889年（明治22年）4月1日の市町村合併により、小張木は女池村（めいけむら）の大字となりました。その後、1923年（大正12年）頃までは、地域名は小張ノ木新田とも称されていたことが記録に残っています。

時代の流れとともに、小張木の所属自治体も変化していきました。1901年（明治34年）11月1日には、再び合併を経て鳥屋野村（とやのむら）の大字となり、さらに太平洋戦争中の1943年（昭和18年）5月3日には、市町村合併の推進により新潟市の大字に組み込まれました。長らく大字として存在していましたが、2002年（平成14年）11月11日には地域の住居表示が実施され、現在の小張木一丁目から三丁目が設けられました。そして、2007年（平成19年）4月1日に新潟市が政令指定都市へ移行したことに伴い、小張木は中央区の一部となりました。

昭和30年代中頃からは、鳥屋野潟周辺の蓮潟（はすぬま）の埋め立てが進み、地域の景観が大きく変わりました。これに加えて、1966年（昭和41年）には公共交通機関としてのバス路線が開通し、市中心部へのアクセスが向上したことにより、小張木は次第に住宅地へと変貌を遂げていきました。

現在、小張木は北から東回りにかけて、女池（めいけ）、女池南（めいけみなみ）、鳥屋野（とやの）といった町字と隣接しています。また、鳥屋野潟を隔てた対岸には、清五郎（せいごろう）や鐘木（しゅもく）といった地域が位置しており、潟を介した地理的な結びつきも見られます。

小張木は、江戸時代の新田開発に始まり、近代にかけて所属自治体や呼称を変化させながら、昭和後期からの都市化の波を経て、現在の住宅地としての姿へと至りました。地理的な条件と歴史的な変遷が、現在の小張木の成り立ちを形作っています。

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