小形利文

小形 利文

小形 利文（おがた としふみ）氏は、1948年8月5日に福岡県で生まれた元プロ野球選手です。ポジションは外野手でした。

アマチュア時代

高校は小倉工業高校に進学。野球部では中堅手を務め、2年生エース横山晴久投手とともにチームを牽引しました。1970年の夏の甲子園大会では、強力打線を擁して順調に勝ち進みます。準決勝まで進出しましたが、当時の強豪である松山商業高校との対戦で、相手エース西本明和投手の前に打線が沈黙し、0対1というスコアで惜しくも敗退しました。

高校卒業後、社会人野球の名門である八幡製鐵に入社。ここでも外野手としてプレーを続け、都市対抗野球大会などの主要な社会人野球大会で活躍し、実戦経験を積みました。

プロ野球時代

社会人野球での実績が認められ、1970年末にドラフト外という形でパシフィック・リーグの東映フライヤーズへ入団します。プロ入り後は、その俊足が特に注目されました。主に試合終盤の代走や、失点を防ぐための外野守備固めとして起用されることが多く、チームにおける貴重な控え選手として貢献しました。

プロ入り2年目となる1971年には、若手選手の登竜門であるジュニアオールスターゲームに出場するなど、将来を期待される存在でした。プロ野球での実働期間は短かったものの、限られた出場機会の中で自らの持ち味を発揮しようと努めました。在籍期間中、球団の名称は1973年に「東映フライヤーズ」から「日拓ホームフライヤーズ」へと変更されています。

彼のプロ野球における主な記録は以下の通りです。

初出場: 1972年4月9日に北九州市営小倉球場で行われた対西鉄ライオンズ1回戦。9回表に加藤俊夫選手の代走として、プロのグラウンドに初めて足を踏み入れました。
初打席: 1972年4月18日、大阪球場での対南海ホークス1回戦でのこと。8回表に打席に入りましたが、南海の西岡三四郎投手の前に凡退しました。
初先発出場: 1972年8月17日、日本生命球場にて行われた対近鉄バファローズ22回戦。この試合に8番・左翼手として先発出場し、初めてスターティングラインナップに名を連ねました。
初安打: 1972年8月27日、阪急西宮球場での対阪急ブレーブス20回戦で記録しました。5回表に高橋直樹選手の代打として出場。阪急のベテラン、梶本隆夫投手から適時打を放ち、これがプロ入り後初の安打となりました。

背番号は、入団から1973年まで「59」を着用。球団名が日拓ホームフライヤーズとなった1974年には「36」に変更されました。同年に現役生活にピリオドを打ちました。

その後

プロ野球選手としてのキャリアは短期間でしたが、高校、社会人、プロと野球に深く関わりました。彼の在籍した球団は、その後に日本ハムファイターズとなり、現在の北海道日本ハムファイターズへと繋がっています。小形氏は福岡県出身の人物として、またプロ野球選手として、その名を球史に刻んでいます。

もう一度検索