小早川幸二

小早川 幸二（こばやかわ こうじ）

広島県呉市出身、1970年12月1日生まれの元プロ野球選手（投手）。プロ野球引退後は実業家として、株式会社K-アシストの代表取締役社長を務めている。

来歴

西条農業高校で野球に打ち込み、3年生時には春の選抜高等学校野球大会に一塁手として出場する経験を持つ。夏の広島県大会では投手を務め、準々決勝まで進出したが、この年の全国優勝校となる広島商業高校に敗れ、甲子園出場はならなかった。

高校卒業後、1988年秋にドラフト外で福岡ダイエーホークスに入団し、プロ野球の世界へ足を踏み入れた。しかし、層の厚いチーム事情もあり、ダイエー在籍中は一軍公式戦への出場機会を得ることはできなかった。1990年のシーズン終了後、広橋公寿選手とのトレードによって中日ドラゴンズへ移籍することとなる。

新天地となった中日でも、残念ながら一軍登板の機会は巡ってこなかった。2年間を中日で過ごした後、1992年のオフには松井隆昌選手とのトレードで広島東洋カープへの移籍が決定。故郷・広島の球団で再出発を切ることとなった。

広島移籍後、チームではベテラン左腕の清川栄治投手が退団し、石貫宏臣投手が故障を抱えるなど、手薄となっていた左のリリーフ投手として期待されるようになる。同姓の小早川毅彦選手がチームに在籍していたため、スコアボードなどでの表記は「小早川幸」が用いられた。広島でのキャリアは、彼のプロ野球人生において最も輝かしい時期となった。特に1996年には、左の中継ぎとしてチームに貢献し、キャリア最多となる46試合に登板。ブルペン陣に欠かせない存在として活躍を見せた。

しかし、同年シーズンの終盤、思わぬアクシデントに見舞われる。アキレス腱を断裂するという大怪我を負ってしまったのである。この怪我の影響は大きく、翌年以降は本来の投球を取り戻すことができず、成績が低迷した。1998年には一軍での登板がなく、この年限りで球団から自由契約を言い渡され、広島を離れることになった。

日本での現役続行が難しくなった小早川は、1999年に活躍の場を求め台湾へ渡り、台湾大聯盟の台中金剛に入団した。しかし、ここでも左肘の故障に悩まされ、わずか1試合の登板に終わる。シーズン途中でチームを解雇され、同年限りで現役を引退した。

引退後

プロ野球引退後は、地元である広島県に戻り、会社員として第二の人生をスタートさせた。サラリーマン生活を送る傍ら、社会人野球のクラブチームである広島鯉城クラブに所属し、野球への情熱を持ち続けた。

現在は、実業家としての道を歩んでいる。通信工事、電気工事、建設業、土木工事業などを手がける株式会社K-アシストを設立し、その代表取締役社長として経営の第一線で活躍している。かつて読売ジャイアンツや広島東洋カープに所属した大須賀允氏も社員として在籍していた時期がある。

記録

プロ野球の一軍登板において、勝利投手となることなくキャリアを終えたが、特筆すべき記録として、通算110試合登板で未勝利というプロ野球記録を樹立している。これは、リリーフ投手として多くの登板機会を得ながらも、勝ち星に恵まれなかった彼のキャリアを象徴する記録と言える。

初登板：1993年4月14日、対横浜ベイスターズ戦（横浜スタジアム）
初奪三振：同上（相手打者：鴻野淳基）
初セーブ：1995年5月28日、対読売ジャイアンツ戦（広島市民球場）
初先発登板：1997年6月1日、対横浜ベイスターズ戦（福山市民球場）

背番号

福岡ダイエーホークス： 64 (1989), 99 (1990)
中日ドラゴンズ： 65 (1991 - 1992)
広島東洋カープ： 67 (1993 - 1998)
台中金剛： 16 (1999)

（注）所属球団の背番号変遷は一部推測に基づく。

関連項目

広島県出身の人物一覧
福岡ソフトバンクホークスの選手一覧
中日ドラゴンズの選手一覧
広島東洋カープの選手一覧
* プロ野球における通算記録

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