小早川弘景 (初代)

小早川弘景（こばやかわ ひろかげ）は、室町時代に活躍した武将であり、竹原小早川氏の第9代当主として知られています。彼は小早川仲義（なかよし）の嫡男として生まれ、その生涯を通じて竹原小早川氏の勢力拡大に大きく貢献しました。

応永5年（1398年）5月13日、父である仲義から安芸国都宇、竹原荘、梨子羽郷南方、備前国裳懸荘、美作国打穴荘など、広大な所領を譲り受け、竹原小早川氏の家督を相続しました。この家督相続は、弘景が新たな時代を切り開く幕開けとなりました。

弘景の時代から、竹原小早川氏は大内氏との関係をより一層強めることとなります。大内氏からの信頼を得た弘景は、家督相続の頃に大内義弘から偏諱（へんき）である「弘」の字を授与されました。この偏諱の授与は、単なる名誉だけでなく、大内氏との緊密な関係を示すものでした。

弘景の功績は、その後の竹原小早川氏の発展に大きく寄与しました。弘景から三代の間にかけて、竹原小早川氏は支配領域を拡大し、安芸国瀬戸内海沿い東半分を占めるまでに成長しました。特に、海の交通の要衝を押さえることで、国人領主として大きな勢力を築き上げました。この勢力拡大は、瀬戸内海の制海権を握り、交易を通じて経済的な基盤を強化することに繋がりました。

小早川弘景の時代は、竹原小早川氏が地域における影響力を確立し、戦国時代に向けて更なる発展を遂げるための重要な基礎を築いた時代と言えるでしょう。

参考文献
今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。

関連項目
小早川氏
小早川弘景
小早川弘景 (二代)

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