小松うどん

小松うどん

小松うどんとは、石川県小松市発祥の郷土料理です。細くてコシのある麺と、あっさりとした出汁の組み合わせが特徴で、地元の人々はもちろん、観光客にも愛されています。

概要

小松うどんは、その上品な味わいから、江戸時代には加賀藩の御用達として、将軍家や他の大名への贈答品としても用いられていました。2023年現在、小松市内には約70店舗もの認定店があり、各店が独自の工夫を凝らした小松うどんを提供しています。

歴史

小松うどんの歴史は古く、元禄2年（1689年）には、俳聖・松尾芭蕉が奥の細道の旅の途中に小松を訪れた際、地元の俳人から贈られた乾うどんを食し、その美味しさを絶賛したという記録が残っています。

元禄7年（1694年）の『小松旧記』には、小松町奉行から加賀藩の台所奉行に宛てた、うどんに関する細かな注文が記された返書が残されており、当時のうどん製造者として八日市町（現在の小松市）の亀屋徳右衛門の名前が記されています。

宝暦5年（1755年）の『御国御目付衆江御答帳』には、巡見使が「加賀藩の名物」を尋ねられた際、金沢の象眼鐙と染手綱、そして小松の長機二重堅絹と干饂飩を答えるように定められていたことが記されています。

2018年には、特許庁の地域団体商標に登録され、そのブランドが保護されています。さらに、2023年3月には、文化庁の100年フードに認定され、石川県を代表する食文化として、その価値が認められました。

著名な小松うどん店

明治30年（1897年）には、小松駅近くに「加登長」が開業し、うどんが広く庶民に親しまれるようになりました。加登長は、初代小松市長の叔父が始めた店で、その人気から多くの暖簾分け店舗が生まれましたが、残念ながら小松市内に現存する加登長の店舗はありません。

明治38年（1905年）には、「中佐」が開業しました。中佐は最盛期には5店舗を展開し、そこから独立した人々が「中石」「中音」「中定」「中芳」など、「中」の字を屋号に用いた店を次々と開業し、小松うどんの発展に大きく貢献しました。

小松うどんつるつる創研

小松うどんつるつる創研は、小松市や小松うどんを提供する飲食店が中心となって設立されたNPO法人です。2024年の北陸新幹線小松駅開業を見据え、小松うどんの認知度向上を目指し、100年フードへの応募など、様々な活動を行っています。

小松うどん定義八カ条

小松うどんつるつる創研は、「小松うどん定義八カ条」を定め、この定義を満たすもののみが「小松うどん」を名乗ることを許可しています。

1. 小松市内で製造された麺であること
2. 手打ち、または手打ち風であること
3. 加水量は、小麦粉重量に対して35%以上52%未満であること
4. 食塩水濃度は10%を基準とすること
5. 白山水系の水で仕込むこと
6. 出汁は、うるめ・むろあじ・さば節等を主に用い、昆布をふんだんに使うこと
7. 具材は、できる限り地元産の物を使うこと
8. 小松の発展を願い、茹で上げること

小松うどんは、その長い歴史と伝統を守りながら、新しい時代に向けて進化を続けています。小松を訪れた際には、ぜひ本場の小松うどんを味わってみてください。

NPO法人小松うどんつるつる創研

もう一度検索