小松原駅

小松原駅：北野線に存在した面影

京都市北区、かつて活気ある路面電車が行き交っていた場所に、小松原駅は存在していました。この駅は、京福電気鉄道北野線の停留場として、多くの乗客を乗せ、地域の生活を支えていました。しかし、その歴史は長くはありませんでした。

開業から廃止まで

小松原駅の開業は1925年（大正14年）11月3日に遡ります。嵐山電鉄北野線の北野駅から高雄口（現在の宇多野駅）間の開業と同時に誕生しました。当時の京都の街並みを背景に、路面電車は人々の暮らしに溶け込み、小松原駅もその重要な一部を担っていました。

その後、1942年（昭和17年）3月2日には、京福電気鉄道への譲渡を経て、同社の路線となりました。しかし、1943年（昭和18年）10月1日、白梅町駅（現在の北野白梅町駅）が開業すると、小松原駅は休止を余儀なくされます。そして、わずか2年後の1945年（昭和20年）6月4日、小松原駅は完全に廃止されました。短いながらも、地域の人々の記憶に刻まれた存在だったと言えるでしょう。

駅周辺と櫻谷文庫

小松原駅は、今出川通と馬代通が交差する地点の東側に位置していました。現在の洛星中学校・高等学校の校地の西南角近辺にあたります。周辺は、静かな住宅街が広がり、当時の面影を偲ばせる場所も残されているかもしれません。

特筆すべきは、小松原駅と櫻谷文庫との関係です。櫻谷文庫は、この地域に深く根付く歴史的建造物であり、小松原駅の存在を知る上で重要な手がかりとなる資料を保管している可能性があります。かつての駅周辺の風景を想像する上で、櫻谷文庫を訪れてみるのも良いかもしれません。

隣接駅との関係

小松原駅の隣接駅は、北野線の上下両方に存在していました。上り方面は白梅町駅（現在の北野白梅町駅）、下り方面は等持院駅（現在の等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅）でした。これらの駅と合わせて、北野線の路線図を想像し、当時の鉄道の運行状況を垣間見ることもできます。

小松原駅の記憶

小松原駅は、現存しない駅ですが、その存在は、京福電気鉄道北野線の歴史、そして京都の街の歴史の一部を物語っています。かつて駅があった場所を訪れ、静かにその歴史に思いを馳せてみるのも良いでしょう。わずかな期間ながらも、多くの人々の生活を支えていた、小松原駅。その存在をこれからも記憶にとどめておきたいものです。

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