小松崎軍次

小松崎軍次：江東区政を支えた情熱の政治家

小松崎軍次（1903年2月25日 - 1995年4月30日）は、日本の政治家であり、江東区長を6期にわたり務めました。茨城県稲敷郡古渡村（現：稲敷市）に生まれ、教員生活を経て政界入りし、江東区の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと教育

1903年、小松崎軍次は茨城県稲敷郡古渡村堀之内（現：稲敷市堀之内）で生を受けました。幼少期から学業に優れ、古渡尋常高等小学校では、卒業時に稲敷郡長から郡長賞を授与されるほどでした。その後、江戸崎農学校に進学しますが、義兄を頼って上京し、正則英語学校に籍を置きます。しかし、病気と父の説得により帰郷し、茨城師範学校に入学しました。

教員生活

1923年、茨城師範学校を卒業後、茨城県内の小学校で教鞭を執りました。行方郡玉川尋常高等小学校、稲敷郡鳩崎尋常高等小学校、稲敷郡江戸崎尋常高等小学校などで教え子たちの育成に尽力しました。1932年に江戸崎尋常高等小学校を退職後、東京市の教員採用試験に合格し、足立区東渕江尋常高等小学校で代用教員となります。中央大学にも入学し、法学を修めました。その後、下谷区根岸小学校、城東区砂町青年学校で教鞭を執り、1944年からは砂町青年学校長を務めました。戦後は、江東区立砂町中学校長、江東区立深川第三中学校長を歴任し、教育者として地域社会に貢献しました。

1953年12月には、江東区教育委員会教育長に就任し、4期にわたり区の教育行政を担いました。

江東区長として

1968年3月、小松崎軍次は江東区長に選任され、以後6期にわたりその職を務めました。区長として、区民の生活向上と区の発展に尽力し、特に、都内で深刻化していたゴミ問題、いわゆる「東京ゴミ戦争」では、江東区へのゴミ集中に断固として反対し、区民の生活環境を守るために陣頭指揮を執りました。1972年と1973年には、自らヘルメットを被り、杉並区からのゴミ搬入車を実力で阻止する行動に出ました。この強硬な姿勢が、杉並清掃工場の建設を促し、事態の収束に繋がりました。

1987年の区長選挙では、新人3人を相手に6選を果たし、少なくとも1988年8月には全国最年長の首長となっていました。

1990年11月、小松崎軍次は今季限りでの引退を表明し、長年の区政に幕を下ろしました。引退後は、共済企画センター社長を務めました。

死去と栄典

1995年4月30日、小松崎軍次は老衰のため江東区のあそか病院で死去しました。92歳でした。その功績を称え、1991年には勲三等旭日中綬章が授与され、没後には正五位が追贈されました。

東京ゴミ戦争

小松崎軍次の区長在任中、都内で発生するゴミが急増し、江東区の夢の島には1日5千台ものトラックがゴミを搬入していました。東京都知事の美濃部亮吉が「ゴミ戦争」を宣言する中、江東区議会は自区内での処理を主張し、ゴミ搬入の実力阻止を訴えました。小松崎軍次自身も先頭に立ち、ゴミ搬入を阻止する行動は、区民の生活を守るという強い意志の表れでした。

小松崎軍次は、教育者、そして政治家として、地域社会に大きく貢献した人物でした。彼の情熱と行動力は、江東区の歴史に深く刻まれています。

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