小林十九二

小林十九二の生涯と作品

小林十九二（こばやし とくじ、1901年3月10日 - 1964年6月11日）は、兵庫県神戸市生まれの著名な俳優である。彼は松竹映画社で多くの作品に出演し、脇役としてのキャリアを築いた。特に、神経質で気弱な男性キャラクターを得意としており、大学生や若旦那といった役柄を数多く演じていた。戦後の彼は老け役での出演が目立ち、幅広い表現力で多くの観客に親しまれた。

来歴

小林は岡山市に生まれ、岡山市立工芸学校を中退後、学生新劇団を設立し各地を巡演した。後に日本自動車学校で学んだ後、そこに勤めるが、近所にあった松竹蒲田撮影所に触発され俳優を目指すようになる。1921年に諸口十九の弟子となり、蒲田撮影所に入社。彼は芸名を小林德二とし、1921年7月に公開された映画『悪夢』でデビューを果たした。

1924年からは二枚目俳優として売り出され、多くの作品で準主役として活躍。特に五所平之助監督の映画にはたびたび出演し、彼の才能が花開く場となった。1930年にはトーキー映画『マダムと女房』にも出演し、俳優としての幅を広げた。

1934年には賭け麻雀の容疑で逮捕されるが、それが彼のキャリアにどのように影響したかは定かではない。戦中は松竹を退社し、舞台生活に専念。その後、戦後には黒澤明監督の『素晴らしき日曜日』などに出演し、再び映画界での地位を確立した。

1951年には松竹大船撮影所に復帰し、多数の作品に助演として参加。特に、木下恵介監督の作品には『二十四の瞳』『楢山節考』などに出演し、高い評価を得た。1950年代の後半からはテレビドラマにも進出し、最後の出演映画は没後に公開された『赤ひげ』である。

主な作品

小林の出演作品は非常に多く、その中には特にキネマ旬報ベストテンにランクインした映画も含まれる。例えば、1924年の『黒川博士』や1954年の『二十四の瞳』など、多彩なジャンルで活躍した。また、彼が出演したテレビドラマにも、多くの人々に愛された作品が数多く存在する。

影響と評価

小林十九二は、俳優としてのキャリアの中で多くの役柄をこなすことで知られ、彼の演技は多くの後の世代の俳優たちに影響を与えた。死去するまで、彼の持つ独自の表現力は多くのファンに愛され続けた。彼の作品は今も多くの人々に観られ、俳優としての功績は評価され続けている。彼の生涯は、日本の映画史における重要な一ページを飾っている。

結論

1964年に63歳でこの世を去った小林十九二は、今なお日本映画界のレジェンドとして語り継がれている。多様な役柄を演じきった彼の才能は、後世に残る作品を通じて、多くの人々の心に刻まれている。

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