小林巳智次

小林巳智次の生涯と業績

概要

小林巳智次（こばやし みちじ、1893年11月15日 - 1977年1月17日）は、日本の著名な法学者であり、専門として民法、産業法、農業法を研究しました。特に入会権や永小作権に関する法律に関心を持ち、実務に直接関与しながらその発展に寄与しました。彼は、末弘厳太郎の指導を受け、重要な法学者としての地位を確立していきました。

生い立ちと教育

長野県南佐久郡平賀村の出身であり、小林家の三男として生まれました。少年期においては、旧制野沢中学（現在の長野県野沢北高等学校）と第一高等学校を卒業しました。1921年には東京帝国大学の政治科を卒業した後、北海道帝国大学農学部の講師として教育に携わります。彼は、労働法や農業法を研究し、助手から教授へと昇進し、1957年には北海学園大学へ異動します。

学問的業績

小林は、農業法の権威として数々の書籍や論文を執筆しました。代表的な著作には『農業法研究-農地法の根本問題-』（1937年）、『農業法問題の国際的趨勢-第1回国農業法国際会議記録から-』（1958年）などがあります。特に、彼は自己の専門的な知識をもとに「小林文庫」を設立し、大学に貢献しました。また、農業を支える法律的枠組みや制度の重要性を認識し、それに関連する研究を通じて日本の農業法を発展させることに貢献しました。

北海学園大学での活動

北海学園大学では法学部の新設に尽力し、教員確保に奔走しました。松浦栄、大和哲夫らの協力を得ながら、法学部の設立を実現させ、北海道私立の初の法学部にまで導きました。しかし、運営当初は教員確保に苦労し、専門外の授業を受け持つこともあったとされています。その中でも、彼は民法や労働法などの専門科目を重視し、学生に伝える努力を惜しみませんでした。

社会的貢献

小林は、北海道労働審議会や地方労働委員会、札幌地方裁判所家事調停委員など、多くの委員会でも活躍しました。これらの経験を通じて、法学の実務面からも日本社会に貢献してきたことがわかります。1973年に北海学園大学を退職した後は、同大学の名誉教授として後進の指導に当たりました。

個人のエピソード

彼は、留学先のフランスにおいて国際的な交流を楽しみ、特に女性にモテていたことが伝えられています。そのユーモアに満ちた性格と、文学を深く愛する姿勢は、彼の学問への情熱を一層強く印象づけています。また、家族の間では長兄が優れた記憶力の持ち主であったことから、彼に与えられた期待は大きかったものの、不運にも早世してしまったことを晩年まで悔やんでいたといいます。

結論

小林巳智次の生涯は、法学の発展と教育現場での尽力によって彩られています。彼の学問への情熱や社会貢献は、現代の法学教育にも影響を与え続けています。彼の存在が、忘れられない法学者の一人であることを示しています。

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