小林桂樹

小林 桂樹 (Keiju Kobayashi)

小林桂樹（こばやし けいじゅ、1923年11月23日 - 2010年9月16日）は、日本の映画およびテレビ界で長年活躍した俳優です。彼は特に、サラリーマン喜劇から社会派ドラマに至るまで多岐にわたる作品で知られ、253本以上の映画に出演しました。

初期の人生と教育

群馬県群馬郡室田町（現・高崎市）に生まれた小林桂樹は、父親が警察官という家庭に育ち、厳格な教育を受けました。彼の名前はオリンピックの象徴である月桂樹に由来しているとされます。前橋市立桃井小学校を卒業後、旧制群馬県立前橋中学校に進学。映画や芝居に興味を持ちながらも、在学中は一度も映画館に行かなかったという真面目な学生でした。しかし、父親の死をきっかけに東京へ移り、進学先である日本大学専門部芸術科を中退し、映画の世界を志すようになりました。

映画デビューと成長

小林はアルバイトをしながら映画界への道を模索し、日活に入社し、1942年に『微笑の国』で俳優デビューを果たしました。その後、ほぼ連続的に映画に出演し、1944年には主演を果たしました。1945年の終戦後は、1946年に『君かと思ひて』で復帰し、恋人役を演じて人気が高まりました。

特に1958年にリリースされた『裸の大将』では、実在の画家・山下清を演じ、その演技により、第13回毎日映画コンクール主演男優賞を受賞しました。この作品により小林は一躍脚光を浴び、その後も『黒い画集 あるサラリーマンの証言』や『江分利満氏の優雅な生活』など、数多くの名作で主演を務めました。

受賞歴と人気の確立

小林桂樹の演技は評価され、数々の賞を受賞しました。1960年には『黒い画集 あるサラリーマンの証言』で、主演男優賞などを受け取り、1963年にも『白と黒』や『江分利満氏の優雅な生活』で主演男優賞を獲得しました。彼は、一般市民の生活を描く作品にしっかりとした演技で応え、観客の心をつかみました。『牟田刑事官事件ファイル』シリーズでは主演を務め、2007年まで続く人気シリーズとなりました。

テレビへの進出と晩年

1960年代から1970年代にかけてテレビ界にも進出し、その明るいキャラクター性が多くの視聴者に愛されました。『おはよう・にっぽん』の司会者を務め、また『日本沈没』では重要な役を演じ、その後も多くの友情出演や特別番組に活躍しました。1984年には『ゴジラ』にも出演し、映画界での名声を確立しました。晩年には、アニメーション作品『耳をすませば』で声の出演を果たし、様々な世代のファンに親しまれました。

死去と影響

2010年、心不全により86歳でこの世を去りました。亡くなる数ヶ月前には公の場に姿を見せ、ファンや仲間たちの心に深く刻まれました。小林桂樹の功績は、映画とテレビ界における演技のスタイルや、サラリーマンの心情を描く上で永続的な影響を残しました。彼の遺作は、2009年に公開された『星の国から孫ふたり』であり、最後までその役者魂を貫いたことが評価されています。彼の存在は、日本のエンターテインメント界において重要な位置を占めており、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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