小林米三郎

2代 小林米三郎：北海道の酒造業を牽引した実業家・政治家

2代 小林米三郎（1886年11月20日 - 1968年6月25日）は、大正・昭和期に北海道で活躍した実業家であり、政治家でもありました。参議院議員を1期務め、小林酒造の社長として酒造業を大きく発展させました。栗山町の名誉町民でもあります。旧姓は田中、旧名は栄。

生い立ちと青年期

1886年（明治19年）、新潟県刈羽郡（現在の柏崎市）で田中九平太の次男として生まれました。実家は造り酒屋であり、裕福な家庭で育ちました。出生名は田中栄で、後の総理大臣となる田中角栄とは遠縁にあたります。
1903年（明治36年）に新潟県立柏崎中学校（現在の新潟県立柏崎高等学校）を卒業しました。

2代 小林米三郎襲名と事業の拡大

17歳の時、北海道夕張郡角田村（現在の栗山町）の初代小林米三郎の養子となり、2代目を襲名して小林酒造を継承しました。初代の時代から小林酒造は北海道有数の酒蔵として知られており、米三郎は事業をさらに拡大しました。初代の影響を受け、自身も日蓮宗の敬虔な信者となりました。

1919年（大正8年）には、角田村に北海道殖産銀行が設立される際、発起人の一人として名を連ねました。同年、北海道炭礦汽船（北炭）への納入権を獲得し、小林酒造の飛躍的な発展の契機としました。また、30歳で角田村会議員に就任し、1940年（昭和15年）まで5期20年にわたり村会議員を務めました。北炭社長の團琢磨らと協力し、夕張鉄道の設立にも尽力し、1924年（大正13年）に夕張鉄道が設立されると取締役に就任しました。

1929年（昭和4年）以降は、土地の買収を進め、栗山小林農場を開設しました。1931年（昭和6年）には角田村商工会（現在の栗山町商工会）を組織し、自らが会頭に就任。1937年（昭和12年）には栗山商業組合を設立し、地域経済の発展に貢献しました。

戦後の活動と政界進出

戦後、小林酒造の工場の自動化を推進し、生産効率を大幅に向上させました。栗山工場は、日本酒、焼酎、合成酒などを製造し、北海道でトップクラスの売上高を誇る工場となりました。自身が社長を務めた北海道酒類販売株式会社（北酒販）も、年間取扱額で日本一を記録しました。サッポロビールの地元である北海道において、北酒販がアサヒビールやキリンビールを取り扱うようになると、北酒連との間で激しい販売競争が繰り広げられました。

1947年（昭和22年）4月、第1回参議院議員通常選挙に北海道地方区から出馬し、当選を果たしました。しかし、1950年（昭和25年）の第2回通常選挙では自由党から出馬したものの、落選しました。

政界を退いた後も、北海道砂利採取、日本高圧コンクリートなど多くの企業を設立し、経済界で活躍しました。また、酒造組合中央会常任評議員、北海道酒造組合理事長、北海道商工連合会会頭など、多くの要職を歴任し、業界の発展に貢献しました。

晩年と栄誉

1958年（昭和33年）には、酒造業の発展に貢献したとして藍綬褒章を受章。1959年（昭和34年）には、栗山町の発展に尽力したとして名誉町民に推挙されました。1963年（昭和38年）には、栗山町役場の建設資金を寄付した功績により紺綬褒章を受章。1964年（昭和39年）には勲三等瑞宝章を受章しました。

1968年（昭和43年）6月25日、81歳で生涯を閉じました。その功績を称え、没後には正五位が追贈されました。現在も栗山町役場前には彼の銅像が設置されています。

親族

* 妻：小林チノ（養父米三郎長女）

2代 小林米三郎は、北海道の経済と社会の発展に大きく貢献した人物として、今もなお多くの人々に敬愛されています。

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