小林紀晴

小林紀晴（1968年1月12日 - ）は、日本のジャーナリスト、写真家、作家として知られています。写真家である小林キユウの双子の弟としても知られています。

長野県茅野市に生まれた小林紀晴は、東京工芸大学短期大学部写真技術科を卒業後、日刊工業新聞社でカメラマンとしてキャリアをスタートさせました。その後、フリーランスのカメラマンとして独立し、独自の視点で世界を切り取る活動を続けています。

23歳の時にアジアを旅し、海外に定住する日本人の姿を写真と文章で記録した『アジアン・ジャパニーズ』は、彼の代表作として広く知られています。この作品を通して、異文化の中で生きる日本人のアイデンティティや人間模様を深く掘り下げました。

また、故郷である茅野市の習俗、特に御柱祭に携わる人々や、盆地の風景、そこに息づく人々の生活を丹念に取材し、写真集『盆地』や『はねはねに』として発表しています。これらの作品からは、故郷への深い愛情と、そこに根ざした文化への敬意が感じられます。

2013年4月からは、東京工芸大学芸術学部写真学科の教授として、次世代の写真家育成にも力を注いでいます。自身の経験と知識を学生たちに伝え、新たな才能を育むことに貢献しています。

2016年3月3日には、出身地である茅野市から「縄文ふるさと大使」に任命され、地域の魅力を発信する役割も担っています。

2023年3月25日には、瀬戸正人の原作を基にした初の監督作品となる映画『トオイと正人』が公開される予定です。新たな表現方法への挑戦を通して、その才能をさらに開花させています。

主な著書

『アジアン・ジャパニーズ』（情報センター出版局、1995年）のち新潮文庫
『アジアン・ジャパニーズ 2』（情報センター出版局、1996年）のち新潮文庫
『アジア旅物語』（世界文化社、1996年）
『ハノイの犬、バンコクの象、ガンガーの火』幻冬舎文庫
『デイズ・アジア』情報センター出版局　1996
『アジアロード』（講談社、1997年）のち文庫
『ジャパニーズ・ロード』（集英社、1998年）
『Homeland』（NTT出版、1999年）
『アジアの少年』（幻冬舎文庫、1999年）
『トウキョウジェネレーション』河出書房新社　1999
『暗室』（幻冬舎、2000年）
『アジアン・ジャパニーズ 3』（情報センター出版局、2000年）のち新潮文庫
『写真学生』（集英社、2000年）のち文庫
『写真学生』長浜敏海漫画（集英社、2002年、ビジネスジャンプ愛蔵版）
『国道20号線』（河出書房新社、2001年）
『小説家』（河出書房新社、2001年
『Life 1986-2002』（スイッチ・パブリッシング、2002年
『遠い国』（新潮社、2002年
『東京装置』幻冬舎文庫、2002
『9月11日からの僕のこと』（講談社、2003年）
『Days New York』（平凡社、2003年）
『盆地』 (エイ出版社、2004年）
『旅をすること』（エレファントパブリッシング、2004年）
『最後の夏1991』バジリコ　2006
『写真展に、行ってきました。』平凡社　2006
『父の感触』文藝春秋　2007
『十七歳』日本放送出版協会　2008
『はなはねに』小林紀晴写真事務所 情報センター出版局、2008
『昨日みたバスに乗って』講談社（2009年）
『写真と生活』リブロアルテ（2011年）
『メモワール写真家・古屋誠一との二十年』集英社（2012年）
『kemonomichi』冬青社（2013年）
『だからこそ、自分にフェアでなければならない。 プロ登山家・竹内洋岳のルール』幻冬舎　2014 のち文庫
『ニッポンの奇祭』講談社現代新書　2017

共著

『ベトナム・センチメンタル +ラオス・カンボジア』福井隆也,関口佐千夫共著　情報センター出版局
『ハッピーバースデイ3.11 あの日、被災地で生まれた子どもたちと家族の物語』並河進文 写真　飛鳥新社　2012
『美女の一瞬』金子達仁著 写真 集英社新書 ヴィジュアル版 2014
『パイナップルぷるぷる本』谷山武士文 写真 コスモの本 2016
* 『Silence of India』鶴田真由共著　赤々舎 2017

写真家、ジャーナリスト、作家、そして教育者として、多岐にわたる分野で活躍する小林紀晴。その作品は、私たちの社会や文化、そして人間そのものについて、深く考えさせてくれます。

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