小林耕士

小林耕士：トヨタ自動車を支えた実業家

小林耕士（こばやし こうじ）は、1948年10月23日生まれの実業家です。トヨタ自動車株式会社を中心に、長年にわたり重要な役職を歴任し、日本の経済界に多大な貢献をしてきました。滋賀大学経済学部を卒業後、1972年にトヨタ自動車工業（現トヨタ自動車）に入社。以来、トヨタグループ内でキャリアを積み重ね、その手腕を発揮しました。

トヨタ自動車での活躍

小林氏は、トヨタ自動車において様々な要職を経験しました。初期には第3販売部部長、財務部主査などを務め、その後、豊田章男氏（現トヨタ自動車社長）が若手時代に2度上司として接点を持ち、その信頼を得ました。2016年にはトヨタ自動車に顧問として復帰し、その後、執行役員副社長としてChief Financial Officer（CFO）およびChief Risk Officer（CRO）を兼任。トヨタ自動車の財務戦略とリスク管理を統括し、経営の中枢を担いました。また、代表取締役も務め、トヨタ自動車の経営に深く関与しました。

デンソーでの経験

トヨタ自動車での活躍と並行して、小林氏はデンソーでも重要な役割を担いました。2003年にデンソーへ出向し、常務役員、専務取締役を経て、代表取締役副社長、代表取締役副会長を歴任。デンソーの経営にも深く携わり、トヨタグループ全体の発展に貢献しました。

名古屋商工会議所での活動

小林氏は、経済界での活動にも積極的でした。名古屋商工会議所では副会頭を務め、地域経済の活性化に尽力しました。その幅広い知識と経験を活かし、地域社会の発展に貢献しました。

異例の人事と社内外の反応

小林氏のキャリアの中で特筆すべきは、豊田章男社長による異例の人事です。デンソーからトヨタ自動車への異例の副社長就任は、社内外に大きな波紋を呼びました。この人事は、組織崩壊の予兆と捉える者もいましたが、豊田社長の強い信頼の証でもありました。

その他の役職と活動

小林氏は、トヨタ自動車関連会社だけでなく、様々な団体の役職も務めました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事、メッセナゴヤ実行委員長、豊田法人会会長など、幅広い分野で活躍。また、小説『トヨトミの逆襲』には、トヨタ関係者から嫌われる人物として描かれるなど、その存在感は多岐にわたります。

現在の活動

2022年にトヨタ自動車の代表取締役を退任し、2023年からはウーブン・バイ・トヨタの監査役に就任。さらに、トヨタ自動車のExecutive Fellow（番頭）として、これまでの経験と知識を活かし、トヨタグループの発展に貢献しています。

略歴

1972年3月：滋賀大学経済学部卒業
1972年4月：トヨタ自動車工業株式会社（現・トヨタ自動車株式会社）入社
1997年1月：トヨタ自動車株式会社基幹職1級 第3販売部部長
2000年1月：トヨタ自動車株式会社基幹職1級 財務部主査
2000年7月：トヨタファイナンシャルサービス株式会社設立 出向
2003年7月：株式会社デンソー出向 経営企画部主幹
2003年7月：株式会社デンソー財経センター出向 部長格
2004年6月：株式会社デンソー常務役員 経営企画部（財務）・広報部担当
2005年6月：株式会社デンソー常務役員 監査部・経営企画部（財務）・広報部担当
2007年6月：株式会社デンソー専務取締役 電気機器事業グループ総括兼コーポレートセンター副総括兼監査部・経営企画部（財務）・広報部担当
2008年6月：株式会社デンソー専務取締役 コーポレートセンター総括兼監査部・広報部・調達部担当
2009年1月：株式会社デンソー専務取締役 コーポレートセンター・調達グループ総括兼監査部・広報部担当
2009年6月：株式会社デンソー専務取締役 コーポレートセンター・調達グループ・北米地域担当
2010年6月：株式会社デンソー代表取締役副社長 社長補佐兼事務統括兼コーポレートセンター・監査部・北米地域担当
2011年1月：株式会社デンソー代表取締役副社長 社長補佐兼事務統括兼コーポレートセンター・監査室・新事業推進室・北米地域担当
2011年6月：株式会社デンソー代表取締役副社長 社長補佐兼事務統括兼中国地域担当
2013年6月：株式会社デンソー代表取締役副社長 社長補佐兼豪亜地域担当
2014年3月：一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会（現・公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会）理事
2014年6月：株式会社デンソー代表取締役副社長 社長補佐
2015年6月：株式会社デンソー代表取締役副会長
2016年2月：トヨタ自動車株式会社顧問
2016年6月：一般社団法人陵水会理事
2016年11月：名古屋商工会議所副会頭
2017年4月：トヨタ自動車株式会社相談役
2018年1月：トヨタ自動車株式会社執行役員副社長兼CFO兼CRO
2018年1月：トヨタファイナンシャルサービス株式会社取締役（現任）
2018年1月：株式会社デンソー取締役
2018年5月：公益社団法人豊田法人会会長
2018年6月：トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員副社長兼CFO兼CRO
2018年6月：トヨタ東京販売ホールディングス株式会社（現・トヨタモビリティ東京株式会社）代表取締役会長（現任）
2019年6月：トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員副社長兼CFO兼CRO サステナビリティ推進室担当
2020年2月：トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員副社長兼CFO兼CRO
2020年4月：トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員CRO
2021年6月：株式会社アイシン社外取締役
2022年4月：トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員番頭
2022年6月：トヨタ自動車株式会社執行役員番頭
2023年4月：トヨタ自動車株式会社Executive Fellow（番頭）CRO兼COO
2024年4月：トヨタ自動車株式会社Executive Fellow（番頭）

小林耕士は、トヨタ自動車を始めとする数々の企業や団体でその才能を発揮し、日本の経済発展に大きく貢献した人物です。その経験と知見は、今後もトヨタグループにとって重要な財産となるでしょう。

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