小林裕和 (漫画家)

小林裕和（こばやし ひろかず）

日本の漫画家。新潟県に生まれ、毎年9月5日に誕生日を迎える。

漫画家としての歩み

小林裕和氏が漫画家としてのキャリアをスタートさせたのは2002年。この年、21歳であった彼は、『まんがカレッジ』において投稿作品『チープ・トリック』で「あと一歩で賞」を受賞し、その才能の一端を示した。さらに同年後期には、『小学館新人コミック大賞』に投稿した『リコピン』が佳作に選ばれるなど、相次ぐ受賞によって、早くから漫画界での活躍が期待された。

連載作品とその担当

新人賞受賞から数年を経て、小林氏は本格的な連載活動を開始する。

初の週刊連載は、集英社の『週刊少年サンデー』にて2010年25号から2012年2号まで掲載された歴史アクション漫画『戦国八咫烏』である。この作品では作画を担当し、力強い筆致で戦国時代の世界を描き出した。

その後、活動の舞台は講談社の『月刊少年シリウス』へと移る。ここでは、作画だけでなく、物語の構築にも深く関わるようになる。2015年10月号から2017年1月号にかけて連載されたファンタジー作品『ナヴァグラハ -DefenD 9 Triggers-』、そしてその続編として2017年5月号から2019年9月号まで連載された『ナヴァグラハ -Virgin 9 soulS-』では、いずれも脚本を担当した。

さらに、同誌で2016年3月号から2019年6月号まで連載された、カトウコトノ氏による人気作『将国のアルタイル』のスピンオフ作品『将国のアルタイル嵬伝 嶌国のスバル』では、原作を務め、世界観を踏襲しつつ新たな物語を生み出した。このように、小林氏は作画担当から脚本、原作担当へと、その役割を多様に変化させながら活動を続けている。

近年は活躍の場をウェブ媒体にも広げており、講談社のウェブコミック配信サイト『水曜日のシリウス』にて、2021年8月9日より現在も連載が続くダンジョン探索ファンタジー『迷宮の王』で脚本を担当している。

歴史漫画への貢献

小林氏は、歴史をテーマにした作品に数多く携わっていることも特徴的である。新潟県にゆかりのある偉人を描いた『まんがにいがた偉人伝 佐藤藤三郎』ではシナリオを担当した。また、児童向け学習漫画の定番である『コミック版日本の歴史』シリーズにおいても、複数の巻で作画を務めている。

加来耕三氏が企画・構成・監修を務める同シリーズにおいて、静霞薫氏が原作を担当した『戦国忍者列伝 風魔小太郎・雑賀孫一・加藤段蔵』（第76巻）では、雑賀孫一のエピソードの作画を手がけた。他にも、同じく加来耕三氏監修、静霞薫氏原作による『戦国人物伝 小早川秀秋』（第79巻）や『歴史を変えた日本の合戦 小牧・長久手の合戦』（第89巻）、さらに加来耕三氏監修、後藤ひろみ氏原作による『戦国人物伝 黒田長政』（第83巻）など、日本の戦国時代を中心に、人物伝や合戦記といったテーマで作画を担当しており、歴史学習漫画という分野においてもその実力を発揮している。

初期読切作品

連載活動に移行する以前にも、小林氏は複数の読切作品を発表している。2004年には『少年サンデー特別増刊R』に『ダマスカラス』が掲載された。その後、『週刊少年サンデー超』にて2008年に『3』、2009年に『D.O.U.M』を発表。また、『戦国八咫烏』の原型とも言える読切版『八咫烏』は、『週刊少年サンデー』2009年39号に掲載され、後の連載へと繋がった。

まとめ

小林裕和氏は、新人賞での早期の評価に始まり、『戦国八咫烏』での週刊連載を経て、歴史、ファンタジーといった多様なジャンルで活躍を続けている漫画家である。特に近年は、作画だけでなく、脚本や原作、シナリオといった多様な役割をこなしており、物語の作り手としての多才さを示している。紙媒体からウェブ媒体へと活躍の場を広げながら、その柔軟な才能で今後も読者に魅力的な作品を届け続けることが期待される。

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