小柳敦史

小柳敦史 (こやなぎ あつし)



小柳敦史は1981年生まれの日本の思想史研究者であり、北海学園大学人文学部の准教授を務めています。彼の専門領域は、主に近代ドイツのキリスト教思想を中心に据えたヨーロッパの思想史です。彼は、学術的な貢献を通じてさまざまな議論を引き起こし、研究界において重要な人物として位置づけられています。

経歴



小柳は2005年に京都大学文学部人文学科を卒業し、その後は同大学大学院の文学研究科で思想文化学を専攻しました。2011年3月まで博士課程に在籍し、様々な研究に取り組みました。その後、2012年に沼津工業高等専門学校に助教として赴任しつつ、青山学院大学総合研究所の客員研究員としても活動を開始しました。

2014年には講師に昇進し、2015年には准教授に昇格。その後、2017年に北海学園大学人文学部に助教授として転職し、現在もこの職に就いています。彼の学術的な業績の一環として、2018年に発表された『トレルチにおける歴史と共同体』は、エルンスト・トレルチに関する研究書であり、日本基督教学会の第1回日本基督教学会賞を受賞しました。

深井智朗への公開質問



小柳は2013年に深井智朗の著作『ヴァイマールの聖なる政治的精神―ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』の書評を日本基督教学会の学会誌『日本の神学』第52号に寄稿しました。この書評では、深井の著作における出典不明な引用や不正確な文献情報に厳しい指摘を行い、同誌第49号では水谷誠教授も同様の問題を取り上げていたことを指摘しました。

その後も小柳は深井の著作の検証を続け、2018年2月に日本基督教学会の役員に対して、深井の著書に記された文献の実在に関する2点の問題を指摘しました。この提起を受けて学会は、小柳と深井による公開質疑応答を行うことを決定し、小柳の質問状と深井の回答、経緯説明が『日本の神学』57号に「暫定報告」として掲載されました。

この公開質問状がきっかけとなり、深井に対する研究不正行為の疑惑が浮上し、最終的には東洋英和女学院大学に設置された調査委員会によって研究不正行為が認定される事態となりました。

主な著書




また、彼は共訳書にも携わっており、例えば2014年には濱崎雅孝、清水正、佐藤貴史と共に、W.パネンベルクの『学問論と神学』を教文館から出版しました。これらの業績は、彼の学術的な活動の一環として重要な位置を占めています。

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