小柳粒男

小柳粒男（こやなぎ つぶお）

小柳粒男は、1987年生まれの日本の小説家であり、ハードボイルド作品を手がける作家です。北海道出身で、2008年2月に『くうそうノンフィク日和』でデビューしました。

略歴

2007年4月、小柳は長編小説『くうそうノンフィク日和』で第1回講談社BOX新人賞“流水大賞”の優秀賞を受賞しました。翌2008年2月、同作は講談社BOXが発行する文芸誌『パンドラ』Vol.1Aに掲載され、講談社BOXが初めて世に送り出す新人として華々しいデビューを飾りました。

同号に掲載された選考座談会では、彼の作品はセカイ系小説とハードボイルド小説という、本来結びつきにくい要素を幸福に融合させたものとして評価されました。このデビュー作は、彼の作風を特徴づける重要な作品となりました。

2008年6月には、『くうそうノンフィク日和』を改稿した初の単行本が刊行されました。その後、『りべんじゃー小戦争』、『ゲンソウ現実日和』など、「ノンフィクシリーズ」と称される一連の作品を発表し、その独特な世界観を確立しました。これらの作品は、彼の作家としての地位を確固たるものにしました。

ノンフィクシリーズの短編は、講談社の文芸誌『ファウスト』や『パンドラ』にも掲載されました。しかし、2010年には執筆の場を講談社BOXから星海社へと移し、2012年4月から8月にかけて、星海社のウェブサイト「最前線」でエッセイ「渋谷／道玄坂で新聞を配る小説家・小柳粒男 二十四歳の地図」を不定期に連載しました。このエッセイでは、彼の日常や考えが垣間見えます。

その後、小柳は長く沈黙を守っています。今後の活動が待たれる作家の一人です。

作品リスト

単行本

くうそうノンフィク日和（講談社BOX、2008年6月2日、250ページ）ISBN 978-4-06-283666-1
イラスト:長月みそか
『パンドラ』Vol.1 SIDE-Aに全文掲載。
りべんじゃー小戦争　〜まち封鎖（講談社BOX、2008年9月1日、222ページ）ISBN 978-4-06-283674-6
イラスト:長月みそか
ゲンソウ現実日和（講談社BOX、2009年3月2日、354ページ）ISBN 978-4-06-283692-0
イラスト:長月みそか

アンソロジー収録作品

フォーティユースボーイ（『Powers Selection 新走(アラバシリ)』、2011年5月）

単行本未収録作品

シャカイに降り立つおかっぱ頭（『ファウスト』Vol.7、2008年8月）
シノキ大戦（『パンドラ』Vol.2 SIDE-A、2008年10月）
存在だけは幽霊のごとく（『パンドラ』Vol.2 SIDE-B、2008年12月）
東京で朝食を（『ファウスト』Vol.8、2011年9月）

外部リンク

小柳粒男 (@kotub_tubuo) - X（旧Twitter）
講談社BOX公式サイト くうそうノンフィク日和 - 著者メッセージ及び佐藤友哉による推薦の辞
小粒ブログ - 本人のブログ
『渋谷／道玄坂で新聞を配る小説家・小柳粒男 二十四歳の地図』 - 星海社のウェブサイト「最前線」の1コーナー

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