小栗まち絵の音楽的旅路
基本情報
小栗まち絵(おぐり まちえ、
1948年4月12日生まれ)は、
大阪で生まれ育った才能ある
ヴァイオリニストです。彼女の夫、故工藤千博も名高い
ヴァイオリニストで、二人は音楽界で深い結びつきを持ちました。
学歴と初期の経歴
小栗は6歳の時に相愛音楽教室に通い始め、東儀祐二と
江藤俊哉に指導を受けました。1964年には桐朋女子高等学校音楽科に入学し、1968年に卒業。桐朋学園大学に進学すると、そこで斎藤秀雄の指導を仰ぎました。彼女の才能は早くから花開き、1968年に行われた第37回
日本音楽コンクールで第1位とレウカディア賞を受賞。その後も1970年に第10回海外派遣コンクールで安宅賞を受賞するなど、初期から輝かしい成果を残しました。1971年には桐朋学園大学を卒業し、同年に小倉朗の『
ヴァイオリン協奏曲』を初演しました。このようにして、小栗まち絵のキャリアはスタートしました。
アメリカ留学と国際的な活動
1973年、彼女はアメリカ・インディアナ大学へ留学し、ジョーゼフ・ギンゴールドとフランコ・グッリに学びました。1974年には工藤千博らと共にインターナショナル弦楽四重奏団を結成し、その演奏は国際的な舞台でも評価され、1976年のエヴィアン国際室内楽コンクールで第1位、また1977年にはミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏部門で第3位を受賞しました。
演奏活動の広がり
1977年にはニューヨークでデビューし、それ以降、欧米を中心に活発に演奏活動を展開しました。インディアナ大学サウスベンド校助教授としての教職を経て、ブラウン大学ではアーティスト・イン・レジデンスとしての役割も担いました。1986年に日本に帰国し、以降は日本国内での音楽活動を本格化させていきました。
教育者としての側面
帰国後は相愛大学の教授として後進の指導に力を入れており、夫と共に多くの優れた門下生を育成しています。たとえば、神尾真由子や長原幸太、
木嶋真優などが彼女の門下生として名を馳せています。教育者としての彼女は非常に高い評価を得ており、若い才能の育成に貢献しています。
主な演奏と受賞歴
1994年に
貴志康一作曲の
ヴァイオリン曲「竹取物語」をCDとしてリリースし、2004年にはエクソンモービル音楽賞洋楽部門で本賞を受賞しました。また、2009年には
貴志康一生誕100年記念コンサートでその作品を演奏するなど、多彩な演奏活動を行っています。2016年にはいずみシンフォニエッタ
大阪の定期演奏会での演奏が評価され、
大阪文化祭賞最優秀賞を受賞しました。
共演経験
これまでに
NHK交響楽団や東京都交響楽団、
大阪フィルハーモニー交響楽団など、数多くの著名なオーケストラと共演しており、その実力を広く知らしめています。
小栗まち絵は、ただの演奏者にとどまらず、教育者としても多くの音楽家を育てるなど、音楽界において多方面で活躍している偉大な人物です。