小栗流

小栗流（おぐりりゅう）

小栗流は日本の武道の一流派であり、創始者は小栗仁右衛門正信です。彼は徳川家旗本として名を馳せ、新陰流剣術の達人でありました。彼の武道への道は、1615年に大坂の陣での戦闘を通じて始まり、長崎奉行としての任務中に友人であり同門の駿河鷲之助とともに組討の研究を重ねました。1616年には柳生家から免許を得て小栗流を正式に開伝し、さらに1613年には将軍家の許可を得て広く弟子を募り、1623年には土佐藩主山内忠豊に招かれ流派を伝えました。

この流派は、特に柔術と剣術を組み合わせた技術が特徴です。小栗流の修行者は約3600人に達し、その中には坂本龍馬の名も含まれていました。小栗流は一見すると剣術と柔術の分離を感じさせるものの、その本質は流祖が編み出した組討を基盤にしており、他にも抜刀術や槍術、防具流など様々な武道技術が統合されています。

小栗流の歴史と影響

小栗流の柔術は、創始当初は柔術の基本技術が中心でしたが、幕末には剣術が重要視されるようになりました。特に土佐藩においては、その影響力が高まり、武士たちの多くがこの流派を学びました。初期の修行体系では、和（柔術）が表という位置づけでありましたが、時代の変化に伴い剣術がメインの技術とされるようになりました。

流派自体の性質として、和は単なる技術の集合体ではなく、万物の柔と剛、動と静、速さと遅さといった様々な理法を教えるものとされます。小栗流の教えの中でも特に重視されるのが「事」と呼ばれる技術で、これは45種類に分かれており、それぞれがさらに細かく分類されています。例えば、取胸や折指といった技は、三つの動作に分かれ、移動や乱れを扱います。

小栗流の系譜

小栗流の系譜には多くの流派や弟子が存在し、以下はその一部です:

• - 小栗仁右衛門正信
• - 細井佐次右衛門勝茂
• - 大森信濃守頼直
• - 水野自適斎（水野流を開く）
• - 朝比奈丹左衛門可長
• - 坂本龍馬

このように、小栗流は多くの著名な武士や武道家に受け継がれ、各地で広まっていきました。

まとめ

小栗流はその各種技術の多様性や教育内容により、今でも注目の武道流派の一つです。特に土佐藩を中心とした広がりは、その後の日本の武道界に大きな影響を与えました。流派の核心には、流祖が編み出した組討があり、様々な武道技術が融合した家元的な存在となっています。小栗流は日本の武道において重要な位置を占め続けているのです。

もう一度検索