山内忠豊

山内忠豊（やまうち ただとよ）は、江戸時代前期の大名であり、土佐藩の第3代藩主です。慶長14年（1609年）に第2代藩主・山内忠義の長男として誕生しました。幼名は伊（猪）右衛門と称しました。

明暦2年（1656年）、父・忠義が病により隠居したため、跡を継いで藩主となりました。当初、忠豊は父の遺命に従い、家老の野中兼山を重用し、伊予宇和島藩との境界争いを解決しました。しかし、忠豊は兼山のことを良く思っておらず、父が病に倒れると、兼山の改革に反対する家臣らと結託して兼山を弾劾しました。さらに、叔父である伊予松山藩主・松平定行の支援を受け、寛文3年（1663年）に兼山を失脚させました。この事件は「寛文の改替」として知られています。失脚した兼山は、そのわずか3か月後に失意のうちに病死しました。翌年には父・忠義も亡くなり、忠豊は土佐藩の政治を主導する立場となりました。

寛文9年（1669年）には、長男の豊昌に家督を譲り、自身は隠居しました。そして、その年の8月5日に61歳で生涯を閉じました。墓所は高知県高知市天神町の真如寺にあります。

山内忠豊の系譜は以下の通りです。

父：山内忠義（1592年-1665年）
母：阿姫（1595年-1632年） - 光照院、徳川家康の養女、松平定勝の次女
正室：長姫 - 長光院、池田利隆の娘
長男：山内豊昌（1641年-1700年）
生母不明の子女
女子：フウ - 本多政長正室
女子：松 - 真田信利正室
女子：椎 - 山内一輝継室

このように、山内忠豊は、土佐藩の藩主として、藩政を担い、後世に影響を与えた人物と言えるでしょう。

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