小槻匡遠

小槻匡遠の概要

小槻匡遠（おづき の ただとお、生年不詳 - 貞治5年/正平21年5月4日〈1366年6月12日〉）は、鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した日本の官人です。彼は左大史・小槻千宣の子として生を受けました。そのキャリアの中で、正四位上や左大史といった高位に昇進し、約30年にわたって官務の地位を保ちました。特に、壬生官務家の地位を固めたことが彼の業績として知られています。

経歴

彼の官歴は多岐にわたり、正和5年（1316年）には主殿頭に任命され、さらに文保2年（1318年）には正五位下に昇進しました。その後、元応2年（1320年）には能登権介を兼ねることとなり、元亨3年（1323年）には父である小槻千宣の死を受けて左大史に任じられました。ここから彼は大夫史の役割を引き継ぎ、さらに造東大寺長官などの重要な職務に就任します。

建武の新政において、彼は雑訴決断所や記録所のメンバーとしても活動し、建武3年（1336年）には北朝において官務に就任します。貞和5年/正平4年（1349年）には壬生流として初めて従四位下に昇叙されるとともに、左大史の職に留まり続けました。彼の約30年に亘る官務の地位は、時代を超えて大宮流を抑え、さらには壬生官務家の地位を強固にする要因となりました。最終的には、小槻氏として初めて正四位上に昇進します。

人物像

小槻匡遠は、太政官の実務や典礼に非常に詳しかったことから、周囲から高く評価されました。また、彼の日記である『匡遠宿禰記』は現存する断簡の一つとして、彼の時代や心情を知る手がかりとなっています。

官歴リスト

• - 正和5年（1316年）：主殿頭に任官
• - 文保2年（1318年）：正五位下に叙任
• - 元応2年（1320年）：能登権介を兼任
• - 元亨3年（1323年）：左大史に任命
• - 嘉暦元年（1326年）：見記録所寄人
• - 建武2年（1335年）：見造東大寺長官
• - 建武3年（1336年）：官務に就任
• - 康永3年/興国4年（1344年）：備前介に任命
• - 貞和5年/正平4年（1349年）：従四位下、左大史に留任

系譜

彼の家系については、父が小槻千宣であることは確認されていますが、母の情報は不詳です。匡遠には二人の男子、兼治と景実がいて、兼治は1418年に亡くなりました。

死亡

小槻匡遠は、貞治5年/正平21年（1366年）5月4日に没しました。彼の長い公務の生涯は、日本の歴史において一つの貴重な足跡を残しました。

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