小河滋次郎

小河滋次郎の生涯

小河滋次郎は、1864年（文久3年）に信濃国上田で生まれました。上田藩の藩医の次男として生を受けましたが、後に小諸藩士の養子となります。上田藩校で学んだ後、東京専門学校（現在の早稲田大学）で法律を学び、東京帝国大学（現在の東京大学）に進学しました。大学では、穂積陳重教授の指導を受け、監獄制度に関心を抱くようになりました。

法学者、官僚としての活躍

大学卒業後、小河は内務省に入省し、監獄行政に携わります。ドイツ留学で海外の監獄事情を視察した経験を活かし、日本の監獄制度の改革に尽力しました。1897年には警視庁典獄（監獄長）に就任し、監獄法の制定にも深く関わりました。また、法学博士号を取得後、東京帝国大学などで監獄学の講師も務め、後進の育成にも貢献しました。

社会問題への取り組み

1908年からは、清国政府に招かれ、獄制改革の指導に4年間従事しました。帰国後は、大阪府の救済事業指導嘱託、国立感化院院長事務取扱などを務め、1918年には方面委員制度（現在の民生委員制度の前身）の確立に大きく貢献しました。小河は、監獄行政だけでなく、社会福祉にも尽力した人物として知られています。

栄典と著書

小河の功績は高く評価され、1903年には銀杯を、1910年には正五位を授与されました。また、カンボジア王国からも勲章を受けています。著書には、『監獄学』、『日本監獄法講義』、『獄事談』、『社会問題救恤十訓』などがあり、没後には『小河滋次郎著作選集』も出版されています。

小河滋次郎の遺産

小河滋次郎は、日本の監獄行政の近代化に大きく貢献しただけでなく、社会問題の解決にも尽力した人物です。彼の業績は、現代においても高く評価されており、その思想は、日本の社会福祉の発展に大きな影響を与えました。

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