小泉今日治

小泉今日治：サガシリーズを彩るゲームデザイナー

小泉今日治（こいずみ きょうじ）は、かつてスクウェア・エニックス（以下、スクエニ）に在籍し、現在はグレッゾに所属するゲームデザイナーです。ゲーム業界では「キョン」の愛称で親しまれています。

ゲームとの出会いとスクウェア入社

意外にも、小泉氏は元々コンピュータゲームに強い興味を持っていたわけではありませんでした。しかし、『ウィザードリィ』や『ブラックオニキス』といった海外製のコンピュータRPGに触れたことがきっかけで、ゲームの世界に足を踏み入れます。特に『ファイナルファンタジーII』には深く感銘を受け、1991年にスクウェア（現スクウェア・エニックス）に入社を決意します。

サガシリーズにおけるバトルデザイン

小泉氏の名を広く知らしめたのは、スクエニ在籍時に手がけた『サガシリーズ』のバトルデザインです。1993年発売の『ロマンシング サ・ガ2』でバトルデザインを担当して以来、シリーズ独自のバトルシステムを構築し続けました。連携や陣形といった要素は、氏の手によって洗練され、『サガシリーズ』のバトルバランスを特徴づけるものとなりました。

また、敵モンスターのデザインを戦闘に反映させるという手法も、小泉氏の大きな功績の一つです。例えば、モンスターに盾を持たせれば防御行動を取らせ、体の大きなモンスターはHPを高く設定するなど、視覚的なデザインとゲーム内のパラメータを連動させることで、戦略性の高いバトルを実現しました。このため、モンスターデザイナーは、小泉氏が敵を強くしすぎないよう、デザインにも細心の注意を払っていたと言われています。

ゲームデザインへのこだわり

小泉氏は、「自身が楽しめる作品を作る」ことをモットーとしています。自身がゲームプレイのバトルを楽しめるよう、複雑な内部パラメータを用いたバトルシステムを構築しています。また、過去のシステムを使い回すことを避け、作品ごとに新しいシステムを盛り込むことに意欲的です。

「ゲームらしいゲームを作る」というコンセプトを掲げ、『ロマンシング サ・ガ3』の頃から「プレイヤーがゲームをプレイしながら作れるようなエディタ」を構想していました。また、ゲームの面白さはハードの性能に左右されないという信念を持っています。

家族からの影響

小泉氏の母親は、ゲーム好きとしても知られています。『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』の最終ボス（通常版）を楽に倒せるほどの腕前を持っており、このエピソードがきっかけで、海外版では最終ボスの難易度が若干調整されたそうです。小泉氏は、最終ボスの勝率を「6割程度」にしたいと考えているとのことです。

多岐にわたる活躍

小泉氏はバトルデザイン以外にも、シナリオ制作にも携わっています。『アンリミテッド:サガ』では、ルビィ編のシナリオの基本的な部分を手がけました。他のシナリオの要素が複雑に絡み合う構成は、『サガフロンティア裏解体真書』に掲載されている小説のストーリーから強い影響を受けています。

主な作品

ファイナルファンタジーIV：「かいはつしつ」内に登場
ロマンシング サ・ガ2：バトルデザイン・バトルデータ
ロマンシング サ・ガ3：バトル/ゲームデザイン
サガ フロンティア：バトルデザイン
サガ フロンティア2：バトルディレクター
ブルーウィングブリッツ：ディレクター（岩崎秀雄、小泉今日治、篠宮淳一による共同ディレクション）
アンリミテッド:サガ：ゲームデザイン・ルビィ編シナリオ
ロマンシング サガ -ミンストレルソング-：バトルデザイン
ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D：プランニング
レジェンド オブ レガシー：ゲームデザイン
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D：プランニング
アライアンス・アライブ：ゲームデザイン
Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼:ゲームシステムデザイン
アークオブアルケミスト:システムアドバイザー

関連人物・項目

サガシリーズ
河津秋敏
スクウェア・エニックス
ゲームクリエイター一覧

外部リンク

* 小泉今日治 (@DextroII) - X（旧Twitter）

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