小浜八弥

小浜八弥（おばま はちや）

小浜八弥は、明治から昭和にかけて活躍した日本の農林官僚です。静岡県知事、農林次官などを歴任し、日本の農業政策に大きく貢献しました。

生涯

1891年（明治24年）12月8日、佐賀県に生まれます。旧姓は稲富。第一高等学校を経て、1917年3月に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。同年4月に農商務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

農林官僚として

農商務省（のちの農林省）では、農務局を中心に、様々な役職を歴任しました。臨時産業調査局事務官、農務局事務官、農商務事務官、農林事務官、農林書記官などを経て、農務局副業課長、水産局漁政課長、農務局農政課長といった要職を担いました。

1937年5月には、農林省農務局長に再任。農政の第一線で活躍しました。また、内閣調査局調査官も兼任し、幅広い視野で政策立案に携わりました。

静岡県知事

1939年4月、小浜八弥は静岡県知事に就任します。戦時下という厳しい状況の中、食糧対策に尽力しました。県民の食糧確保のため、様々な政策を推進し、そのリーダーシップを発揮しました。1942年1月に知事を退任しています。

農林次官

戦後、1946年1月、小浜八弥は農林次官に就任します。戦後の食糧難の時代に、農政のトップとして、食糧増産や農地改革などの重要課題に取り組みました。しかし、同年5月には農林次官を退任。その後、公職追放となります(1946年9月 - 1950年10月)。

その後

公職追放解除後、1964年12月から1967年12月まで漁業共済基金理事長を務めました。漁業者の生活安定のため、共済制度の発展に尽力しました。

1973年（昭和48年）4月6日、小浜八弥は生涯を閉じました。日本の農業の発展に貢献した功績は、今もなお語り継がれています。

著作

小浜八弥は、農政に関する著作も残しています。

『農地調整法の解説』農林書房、1938年
戸嶋芳雄共著『農地調整法令解説』農業と水産社、1938年

親族

妻は小浜亀子（道家斉の娘）。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章を受章。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。

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