小浜城 (若狭国)

小浜城について

概要

小浜城（おばまじょう）は、若狭国の海岸に位置した日本の城であり、福井県小浜市城内に存在しました。この城は、江戸時代初期に京極家によって建築されました。築城のもとになったのは、海や河川、湿地に囲まれた立地です。具体的には1601年、京極高次によってその工事が始まり、次代の京極家によっても続けられましたが、残念ながら完成を見ることはありませんでした。その後、酒井家が新たに城の設計を行い、1642年にはついに小浜城が竣工しました。以降、この城は若狭酒井家の居城として、明治時代までの長い間利用されました。

歴史と沿革

小浜城の築城は、戦国時代の功績を背景にした京極高次が若狭国を拝領したことから始まります。彼は、かつての後瀬山城がもたらす高地の利点を生かしつつも、居城としての利便性を追求しました。そのため、河川や海に囲まれた三角州の地に新たな城を築くことにしたのです。特に関ヶ原の戦い後、京極家の次代京極忠高が藩領を拡大したことも、城の整備をさらに進める原動力となりました。

1641年、酒井忠勝が小浜藩に封じられるとともに、城の形態は大きく変わりました。彼の指導の下、3重3階の天守を持つ本格的な城としての姿が完成し、酒井家の繁栄を支える役割を果たしました。しかし、明治時代になると、城内に設置された軍事施設の工事中に火災が発生し、天守以外の多くの建物が失われることとなりました。最終的に、残存していた天守も1874年に退去されることになり、その姿は過去のものとなりました。この火災をきっかけに、徐々に城の遺構は河川や現代の住宅街に埋もれていきました。

構造

小浜城は、若狭湾と接続する北川（多田川）と南川を外堀として利用した海城です。城の中心には本丸があり、その周囲には北の丸や西の丸、南の丸、東の丸が配置されていました。天守は約29メートルの高さを誇り、石垣は約11メートルの高さでした。城地全体の面積は62500㎡以上あり、本丸だけで10,347㎡もの広さを持っていました。城内には多くの櫓が設置されており、巴櫓、翳櫓、乾櫓などの本丸櫓や、常盤櫓、勝見櫓などの外郭櫓が配されていました。

現在の様子

現在、小浜城の遺構は本丸部分の外周石垣だけが残っていますが、当時の壮大さを感じさせる存在です。さらに、藩校「順造館」の正門は福井県立若狭高等学校の正門として移築されて現存しており、城の歴史を伝える重要な建物となっています。また、市内多田寺には書院玄関が移築されており、文化遺産としての小浜城を偲ばせています。1956年には福井県の指定文化財としても認定され、その歴史的価値が高まっています。

アクセス

小浜城の跡地は、福井県小浜市城内1丁目に位置しており、本丸跡には小浜神社が存在します。最寄りの交通機関としては、JR西日本小浜線の小浜駅があり、ここから約1.5キロメートルの距離にあります。周辺には、学校や裁判所、保育園など、地域の生活を支える施設が点在しており、城の歴史を感じることができる場所となっています。

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