小浦総平

小浦 総平

小浦 総平（こうら そうへい）は、明治24年（1891年）7月17日に生まれ、昭和32年（1957年）2月7日にその生涯を終えた日本の政治家です。現在の長崎県新上五島町にあたる、かつての南松浦郡浜ノ浦村の出身でした。

彼のキャリアは警察官として始まりました。初めは巡査として勤務しましたが、その後、巡査部長、警部補、警部と順調に階級を上げ、最終的には警視にまで昇り詰めました。警察官として長年にわたり治安維持の任務にあたり、特に複数の警察署でその責任者を務めました。具体的には、諫早警察署長、長崎警察署長、そして佐世保警察署長を歴任し、それぞれの地域で警察組織を指揮しました。

警察官としての経験を積んだ後、彼は佐世保市の市政へと活躍の場を移します。佐世保市役所において、助役という重要な要職を務め、市政運営の中枢に関与しました。また、市立市民病院の院長も兼任し、地域医療の一端を担うなど、幅広い分野で市政に貢献しました。

昭和15年（1940年）には、市民の信任を得て、佐世保市の市政を率いる市長に選出されました。市長として市政の発展に尽力する傍ら、さらに活躍の場を国政へと広げます。昭和17年（1942年）、太平洋戦争中の困難な時期に行われた第21回衆議院議員総選挙において、当時の選挙区である長崎2区から立候補し、当選を果たしました。この選挙では、当時の政治体制を支える翼賛政治体制協議会の推薦を受けての立候補でした。

衆議院議員として活動していたものの、終戦後、彼の政治経歴が戦後の政治改革に影響を受けることとなります。過去に翼賛政治体制協議会の推薦を受けて当選したことが理由となり、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）による公職追放の対象となりました。これにより、彼は政治活動からの引退を余儀なくされました。

公職追放後は、再び公の場に姿を現すことはありませんでした。昭和32年（1957年）に65歳で亡くなるまで、静かに過ごしたものと推測されます。

小浦総平の生涯は、警察官として地域の安全に貢献し、佐世保市の要職を経て市長として市政を担い、さらには国政の舞台にまで進出したという、多岐にわたる経歴に彩られています。戦後の政治的激動の中で公職を離れることとなりましたが、その足跡は地域の歴史に刻まれています。

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