小玉正任

小玉正任（こだま まさとう）

小玉正任は、1925年6月27日に生まれ、2016年9月6日に没した日本の官僚、そして民俗学者です。最終階級は正四位。

生涯

秋田県出身の小玉氏は、1951年に東京文理科大学を卒業後、総理府に入庁しました。その後、沖縄開発庁で要職を歴任し、沖縄の振興に大きく貢献しました。

1972年：沖縄開発庁総務局総務課長（沖縄復帰時）
1974年：迎賓館次長
1976年：沖縄開発庁総合事務局長
1978年：内閣広報室長
1979年：賞勲局長
1982年：沖縄開発事務次官

1984年に退官後は、公害等調整委員会委員を務めました。1995年には、勲二等旭日重光章を受章しています。

沖縄協会では、1995年から2006年まで4代目会長を務め、沖縄の文化振興に尽力しました。また、国立公文書館長、統計情報研究開発センター理事長なども歴任し、公文書の管理・活用、統計情報の研究開発にも貢献しました。

官僚としての職務の傍ら、琉球大学図書館における琉球関係資料の収集予算確保、警察庁に残されていた「琉球王国評定所文書」の県内移管、内閣府沖縄戦関係資料閲覧室の設置など、沖縄に関する貴重な資料の保全・公開に尽力しました。

民俗学者としては、民間信仰である「石敢當」の研究に情熱を注ぎました。県内外を調査し、その由来を明らかにするなど、石敢當研究の第一人者として知られています。また、ハブの生態研究や沖縄の陶器にも深い知識を持っていました。2003年には、「石敢當攷 わが国における現状と史料に基づく由来の検証」で筑波大学より文学博士号を取得しました。

著書

『毒蛇ハブ 毒ヘビの話あれこれ』日本広報センター 1975
『島痛み 沖縄の離島に生きる』文教図書 1985
『公文書が語る歴史秘話』毎日新聞社 1992
『史料が語る琉球と沖縄』毎日新聞社 1993
『「琉球」と「沖縄」の表記について・「那覇」の字体について 出典と変遷を探る』都市経済研究所 1994
『史料に登場する毒蛇ハブ』都市経済研究所 1997
『石敢當』琉球新報社 1999
『民俗信仰日本の石敢當』慶友社 考古民俗叢書 2004
『琉球と沖縄の名称の変遷』琉球新報社 2007
『国宝迎賓館赤坂離宮 沿革と解説』茜出版 2012

監修

* 『幕末公家集成』大賀妙子校訂・編集 新人物往来社 1993（監修）

小玉正任は、官僚として沖縄の発展に貢献する一方で、民俗学者として沖縄の文化を深く探求し、その成果を多くの著書や研究で発表しました。その功績は、沖縄の歴史・文化研究において高く評価されています。

もう一度検索