小田原おでん

小田原おでんとは

小田原おでんとは、神奈川県小田原市内の飲食店で提供されているおでん料理の一種です。このおでんは、小田原の地域活性化プロジェクトの一環として誕生しました。単なるご当地料理ではなく、地域の食文化を盛り上げ、新しい観光資源として発展させることを目指しています。

誕生の背景

小田原市はもともと蒲鉾が名産品でしたが、食生活の変化により消費量が減少していました。そこで、地元の水産加工業者が蒲鉾と同じ白身魚の練り物に着目し、地元産の食材を活用した新しいおでん料理を考案しました。これにより、小田原の新たな名物を作り出すとともに、地域を活性化させることを目指したのです。

2003年 10月25日には、「小田原おでん会」が発足し、「小田原おでん宣言」を発表しました。この宣言では、地場産業が連携してオリジナルの具材を開発し、飲食店がそれらを活かしたおでん料理を提供すること、そして消費者が気軽に提案できる環境を作ることが掲げられました。これにより、生産者、料理人、消費者一体となった地域活性化を目指しています。

小田原には、特徴的なおでんの具材がなかったため、既存のおでんとは異なる、都会的でユニークなおでんを作るというコンセプトが打ち出されました。これにより、特に若い世代の観光客を惹きつけ、同時に地域内の多様な業種間の連携を促進することが意図されています。

小田原おでんの特徴

小田原おでんの最大の特徴は、小田原の蒲鉾店13社がそれぞれ独自の具材を開発し提供している点です。具体的には、「いわし団子」「ごぼうさつま」「野菜天」「小田原すじ」「たこ天」「地あじ雑魚ちくわ」「とと揚げ」「うずら卵浜のお月見」「えび天」「ゆず入りソフト鶏つみれ」「つみれ」「白はんぺん」「鯵といわしのふんわりだんご」など、多種多様な具材が楽しめます。また、これらの具材以外にも、小田原産の様々な食材を使用したおでん種があります。

さらに、小田原おでんでは、一般的な辛子ではなく、小田原の名産品である梅を使った「梅みそ」を付けて食べるのが特徴です。この梅みその酸味と甘みが、おでんの旨味を引き立て、独特の風味を醸し出します。

これらの特徴が評価され、小田原おでんは「かながわの名産100選」にも選ばれています。

イベント情報

小田原おでんを盛り上げるためのイベントも多数開催されています。

小田原おでんサミット：全国各地のおでんを活用した町おこしに取り組む地域を招待し、屋台での販売やフォーラムなどを行うイベントです。第1回は2004年3月に小田原城址公園で開催され、以降、毎年1回開催されています。
小田原おでんまつり：小田原おでんの屋台が並び、様々な種類のおでんを楽しむことができるイベントです。毎年10月に小田原城址公園で開催されます。
小田原おでん種コンテスト：おでん種のレシピを一般公募し、おでんサミットの際に最終審査が行われます。優勝作品は、秋のおでんまつりで新作として一般公開されます。過去には、しらす団子、小田原ちょうちん蒲鉾、金目の揚げ包みなどが受賞しました。
おでんカーの派遣：小田原おでんの移動販売車で、各種イベントに出張販売も行っています。

これらのイベントを通じて、小田原おでんの魅力を広く発信し、地域活性化に貢献しています。

小田原おでん