小田豊 (俳優)

小田豊：多彩な舞台とスクリーンを彩るベテラン俳優

小田豊（おだ ゆたか）は、1945年3月20日生まれの長崎県出身の俳優である。明治大学文学部卒業後、1971年に鈴木忠志率いる早稲田小劇場に入団。1973年の『アトリエNo.2』で頭角を現し、その後『トロイアの女』など数々の鈴木作品に出演、海外公演にも参加した。

早稲田小劇場退団後は、劇団眞空艦、劇団卍、桃の会を経て、1988年よりフリーランスとして活動。以降、蜷川幸雄、野田秀樹、白井晃、野村萬斎、多田淳之介といった、日本を代表する演出家たちの作品に多数出演。古典から現代劇まで、幅広いジャンルの舞台で存在感あふれる演技を披露し、日本の演劇界に欠かせない存在として活躍を続けている。

舞台での活躍：

小田豊のキャリアは、多様な劇団や演出家との協働によって彩られている。以下に、代表的な舞台作品をいくつか挙げる。

1980年代: 桃の会での『今は昔、栄養映画館』（1983年）、『東京物語』（1987年）、秘法零番館での『大改訂版 あの大鴉、さえも』（1985年）など、古典作品から現代劇まで幅広く出演。
1980年代後半〜1990年代: 俳優座劇場での『十二人の怒れる男たち』（1988年〜1992年）、NODA・MAP参加作品『キル』（1994年）、俳優座劇場での『二十日鼠と人間』（1994年）、銀座セゾン劇場での『ハムレット』（1995年）など、古典・現代劇問わず、多くの名作に出演。
2000年代以降: 世田谷パブリックシアター、新国立劇場など主要な劇場公演に数多く出演。新国立劇場『城』（2005年）、世田谷パブリックシアター『ソウル市民』（2005年）、遊園地再生事業団『モーターサイクル・ドン・キホーテ』（2006年）など、現代演劇の第一線で活躍し続けている。また、『あなた自身のためのレッスン』（キラリ☆ふじみ）、『長い墓標の列』（新国立劇場）、『エドワード二世』（新国立劇場）など、現代劇から古典劇まで幅広い作品に携わっている。

近年も、『ゴドーを待ちながら』（2024年、KAAT神奈川芸術劇場）など、精力的に舞台活動を続けている。

映画・テレビ・その他の活動：

舞台活動以外にも、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、OVA、ゲームなど、多方面で活躍している。

映画: 『ムーラン』（1998年、声の出演）、『日本のいちばん長い夏』（2010年）などに出演。
テレビドラマ: NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』（2011年）では細川幽斎役を演じている他、『かすていら』（2014年、NHK BSプレミアム）では吉永喜一郎役を演じるなど、時代劇や現代劇で重要な役割を担うことが多い。
ラジオドラマ: NHK-FM『FMシアター』にも出演。
* OVA・ゲーム: ディズニー映画『ムーラン』シリーズの続編や、ゲーム『キングダムハーツII』で吹き替えを担当するなど、声優としても活躍している。

小田豊の俳優としての魅力：

小田豊は、長年に渡る舞台経験から培われた確かな演技力と、幅広い役柄をこなせる高い表現力を持つ俳優である。その存在感は、多くの観客に深い印象を与え、演劇界に大きな足跡を残している。多様な演出家とのコラボレーションを通じて、常に新たな挑戦を続け、進化を続ける彼の今後の活躍にも期待がかかる。

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