小田部胤久

小田部 胤久（おたべ たねひさ）

小田部胤久は1958年生まれの日本の美学者で、学問界において広く知られた存在です。彼は東京大学で美学を専攻し、1992年に「バウムガルテンからドイツ観念論にいたる美学の変容 象徴の概念史に即して」をテーマに博士号を取得しました。現在は東京大学の教授として教鞭をとる傍ら、美学の研究を進めています。

学歴と職歴

小田部は1971年に東京教育大学附属小学校を卒業し、1977年には東京教育大学附属中学校・高等学校を卒業しました。1981年には東京大学文学部を卒業し、1987年から1988年にかけてハンブルク大学で学びました。その後、東京大学大学院人文科学研究科に進学し、美学芸術学の博士課程を修了しました。

彼の職業キャリアは1988年に神戸大学文学部助教授として始まり、その後、同大学の大学院文化学研究科助教授兼担を経て、1996年に東京大学大学院人文社会系研究科助教授となりました。1999年から2000年にかけてはアレクサンダー・フォン・フンボルト財団の奨学生としての在外研究を行い、2007年からは東京大学大学院人文社会系研究科の教授として活躍しています。また、2022年には日本学士院の会員に選出されました。

受賞歴

小田部は、2007年度にフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞しており、これは彼の学問的業績が認められた証です。

主な著作

彼の著作は、日本における美学の深化に寄与しており、数々の専門書を執筆しています。その中には、1995年に出版された『象徴の美学』、2001年の『芸術の逆説 近代美学の成立』、2006年の『芸術の条件 近代美学の境界』、2009年の『西洋美学史』、そして2020年の『美学 = Aesthetics』などが含まれます。

また、共編著も多く、山田忠彰との共編による『スタイルの詩学 倫理学と美学の交叉』や、長野順子との共編の『交響するロマン主義』など、多岐にわたるテーマでの研究成果を発表しています。さらに、2024年には『西洋の美学・美術史　放送大学教材』を共著で出版する予定です。

結論

小田部胤久の業績は、美学の分野における重要な足跡を刻んでおり、彼の研究は今後も多くの学生や研究者に影響を与え続けることでしょう。美学を通じて彼が目指すのは、芸術と哲学の深い関係を探求し、より豊かな文化理解を促進することです。

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