小田部謙一

小田部謙一は、1910年3月19日に東京で生まれ、2008年3月17日にその生涯を閉じました。彼は日本の外交官として、その卓越した能力と国際感覚を発揮し、数々の重要な役職を歴任しました。

学生時代から外務省入省

1929年に東京商科大学（現在の一橋大学）予科を修了後、1934年には同大学の学部を卒業し、外務省に入省しました。当初は調査部に配属され、その後の外交官としてのキャリアの基礎を築きました。

戦後の要職

第二次世界大戦終結後、1945年には終戦連絡中央事務局総裁官房翻訳課長に就任。その後、1949年には通商産業省（現在の経済産業省）輪出局雜貨課長、1951年には外務省連絡局長心得、同年には外務省経済局次長を歴任するなど、戦後の復興期における日本の外交・経済政策において重要な役割を果たしました。

外務省での活躍

1954年には外務省経済局長心得に就任。その後、在アメリカ合衆国日本国大使館参事官を経て、1959年には外務省経済局経済協力部長事務取扱、同年には外務省アジア局賠償部長を歴任。1962年には外務省大臣官房審議官に就任するなど、外務省内で要職を歴任しました。

大使としての活動

1962年には駐ビルマ特命全権大使に任命され、1964年には初代ラングーン日本人学校校長も兼任。その後、1966年には駐デンマーク特命全権大使、1968年には駐ベルギー特命全権大使に就任しました。特に駐ベルギー大使時代には、兼駐ルクセンブルグ特命全権大使、欧州経済共同体日本政府代表、欧州石炭鉄鋼共同体日本政府代表、欧州原子力共同体日本政府代表も務め、欧州共同体との関係強化に尽力しました。これらの役職を通じて、日本とヨーロッパ間の外交関係の深化に大きく貢献しました。

退官後と叙勲

退官後は三菱重工業の顧問として、その知識と経験を活かしました。1980年には、その長年の功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。そして、2008年には叙従三位となりました。

親族

小田部謙一の息子である小田部陽一もまた外交官として活躍し、父の遺志を継いで国際社会で貢献しました。

まとめ

小田部謙一は、日本の外交官として、戦後の日本の復興、国際社会への復帰、そして欧州共同体との関係強化に大きく貢献しました。彼の多岐にわたる活躍は、日本の外交史にその名を刻んでいます。

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