小直径爆弾

小直径爆弾（SDB）

小直径爆弾（Small Diameter Bomb, SDB）は、アメリカ合衆国が開発した先進的な航空爆弾の一種です。この爆弾は、主に精密攻撃を目的として設計され、その特異な形状と誘導機能により、戦闘機からの投下が行われます。20世紀末に開発が始まり、2009年には既に実戦での使用が確認されています。SDBには、主に「GBU-39/B」と「GBU-40/B」の2種類が存在し、これらは細長い弾体に展張式の翼をもった滑空式の誘導爆弾です。

開発の経緯

小直径爆弾の開発は1998年、アメリカ空軍の航空戦闘コマンド（ACC）の指導により始まりました。このプロジェクトは「Small Bomb System」（小型爆弾システム）として知られています。この時期には、空軍ライト研究所においてもミニチュア化された爆薬の研究が進行していました。2001年、ボーイング社がSDBの開発契約を獲得し、以降の開発が加速されました。契約内容には、2種類のSDB、キャリッジ、支援システムが含まれており、2001年10月には正式な開発が開始されました。その後、実用試験が2005年9月から始まり、2006年にはGBU-39/Bの引き渡しが行われました。同年10月には正式な実用化が発表され、その後も改良版が登場しています。

特徴

小直径爆弾の最大の特徴は、その細長い弾体と展張式の翼です。強固な頭部と、誘導部および信管を後部に集約することで、空気抵抗を最小限に抑えています。投下後には、弾体の背部に搭載された細い翼が展開し、空力的な滑空を実現することで、高い精度での目標攻撃を可能にしています。この設計は、ステルス機による搭載も考慮されていると推測されています。

誘導装置

SDBには、2種類の誘導装置が搭載されており、GBU-39/BとGBU-40/Bで異なる機能を有しています。GBU-39/Bでは、GPSによる衛星測位システムが使われ、目標座標へと精密誘導を行います。万が一GPS信号が失われた場合には、慣性航法システム（INS）により目標を追尾します。一方で、GBU-40/Bは、GPS/INSに加え、高精度な赤外線誘導シーカーを搭載しており、移動する熱源を持つ目標への攻撃に特化しています。

配備状況

小直径爆弾の配備計画では、GBU-39/Bが24,000発、キャリッジが2,000基発注される予定となっています。

SDB IとSDB II

現在では、基本型のSDBに加え、新たに「SDB I」と「SDB II」が開発されています。SDB Iは、付随被害を最小化することを目的とした誘導爆弾であり、高密度不活性金属爆薬（DIME）が使用されていると考えられています。SDB IIでは、より太く、丸みを帯びた形状が採用されており、複数のセンサーを搭載してより高精度な誘導が行えるようになっています。

小直径爆弾は、現代の航空攻撃における重要なツールとなっており、その精密誘導技術と小型化は、戦闘におけるリスク軽減を実現しています。

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