小碓村

小碓村の概要

小碓村（おうすむら）は、かつて愛知県愛知郡に位置していた村です。現在では名古屋市港区及び熱田区の一部に該当しており、庄内川や堀川に囲まれたエリアとして知られています。村名は、小碓命に由来しているとのことです。この地域は江戸時代に伊勢湾が埋め立てられることにより形成された新しい土地となっています。

歴史的背景

小碓村の沿革を振り返ると、1649年に熱田新田が開発されたことがきっかけとなり、その後数十年にわたり、様々な新田が整備されました。以下に、その沿革をいくつかの重要な年にまとめてみましょう。

• - 1649年（慶安2年）: 熱田新田が開発され、以降の地域の発展の礎となります。
• - 1675年（延宝2年）: 船方新田の開発。
• - 1696年（元禄9年）: 甚兵衛新田が続いて整備されます。
• - 1800年（寛政12年）: 熱田前新田が誕生。

江戸時代の末期には、尾張藩領や旗本領としてこの地域が統治されていました。

明治以降の変遷

明治に突入すると、1876年には熱田新田が二つの組に分立し、さらに作良新田と船方新田が合併して千年村が設立されました。その後も徐々に合併が続き、1889年には当知新田や土古山新田、熱田新田西組が合併し、明徳村が誕生します。また、千年村と熱田新田東組が合併し宝田村となります。

1906年には、明徳村、宝田村、寛政村の3村が合併し、小碓村が形成されました。1907年には小碓村の一部が名古屋市に編入され、1921年には完全に名古屋市南区に編入されました。その際、小碓村大字小碓は南区小碓町として新たに名付けられました。

1937年には名古屋市南区から港区が新設され、旧小碓村のエリアは港区に編入されることとなりました。

教育機関と神社仏閣

小碓村には、小碓村立小碓尋常高等小学校（現在の名古屋市立小碓小学校）のような教育機関が存在していました。また地域には、素盞嗚神社、二名社、龍神社、善進神明社、熱田社、浄専寺、如意寺、高松寺など多くの神社や仏閣があり、地域住民の信仰の場となっていました。

まとめ

小碓村は、その歴史を通じて地域の発展を遂げてきました。江戸時代から明治、大正にかけてのさまざまな合併や開発の経緯は、現在の名古屋市港区の成り立ちに大きな影響を与えています。現在ではその一部が都市化されているものの、村としての歴史は色濃く残っており、訪れる人々に地域の過去を想起させる場所となっています。

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