小股掬い

小股掬い（こまたすくい）

小股掬いは、大相撲における決まり手の一つです。相手のバランスを崩し、足を取って倒すという、高度な技術を要する技です。

概要

小股掬いは、まず出し投げを仕掛けます。その体勢から、相手が踏み込んできた足（自分に近い方の足）を内側から掬い上げるようにして、相手の体勢を崩し、倒します。相手の重心を崩すタイミングと、足を掬い上げる巧みな動きが求められる、技巧的な決まり手と言えるでしょう。

主な使い手と事例

小股掬いの使い手として特に有名なのは、出羽の花義貴です。彼はこの技を得意とし、数々の勝利を飾りました。特に、1978年9月場所の初日に、当時大関だった貴ノ花利彰に小股掬いで勝利した一番は、相撲ファンの間で語り草となっています。出羽の花は、生涯で小股掬いによって通算12勝を挙げています。

近年では、2016年7月場所の千秋楽において、当時カド番大関だった照ノ富士が、関脇の魁聖との対戦でこの技を繰り出し、勝利しました。7勝7敗同士で迎えたこの一番で、照ノ富士は小股掬いで見事に勝ち越しを決め、カド番を脱出しました。大関の地位を守り抜いたという意味で、非常に重要な一番だったと言えるでしょう。

2017年3月場所では、横綱の日馬富士が関脇の髙安に対して小股掬いを仕掛け、勝利を収めました。横綱がこの技を繰り出すこと自体が珍しく、観客を沸かせました。

2018年5月場所の千秋楽では、石浦が十両の旭秀鵬に対し、小股掬いで勝利しました。この一番は、石浦にとって6勝目を挙げる重要な一番であり、この勝利によって十両からの陥落を免れました。

2021年3月場所では、翔猿が千代翔馬に小股掬いを決め、勝利を収めています。

このように、小股掬いは、力士たちにとって重要な局面で繰り出されることのある、勝負を決める一手となり得る技なのです。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
外小股
大股
* 足取り

もう一度検索