小葉田淳

小葉田淳について

小葉田淳（こばた あつし）は、日本の著名な歴史学者であり、専門分野として貨幣史、鉱山史、貿易史を持つ人物です。1905年4月24日に福井県坂井郡丸岡町（現・坂井市）で生まれ、長い生涯にわたり日本の歴史学界に多大な貢献をしました。彼は、京都帝国大学の名誉教授であり、その業績により日本学士院賞や文化功労者に選ばれる等、多くの栄誉を受けています。

経歴

小葉田は1922年に福井中学校を卒業し、その後1925年に第四高等学校を経て、京都帝国大学文学部史学科に進学しました。在学中に卒業論文をまとめ、1928年に同大学を卒業しました。卒業後は堺市史編纂部で嘱託として働き、1930年には台北帝国大学の講師に就任しました。その後、助教授に昇進し、1944年には陸軍中尉として応召されました。戦後には1946年まで台湾にとどまり、その後日本に帰国しました。

帰国後は東京文理科大学と京都大学で講師を務め、1947年には学位論文「中世日支通交貿易史の研究」を提出し、文学博士の学位を取得しました。その後、京都大学文学部の教授に就任し、1969年には定年退官後に名誉教授となりました。さらに龍谷大学文学部で教授として教鞭を執り、1981年からは財団法人冷泉家時雨亭文庫の常任理事に就任しました。1987年からは住友史料館館長を務め、2001年8月8日に96歳で急性循環器不全により逝去しました。

受賞歴

小葉田淳は、その研究において数々の受賞歴を誇ります。1969年には「日本鉱山史の研究」という著作により、日本学士院賞を受賞しました。1996年には文化功労者に選ばれ、2000年には丸岡町名誉町民として顕彰されました。

研究と業績

彼の研究は、特に人や物の交易に焦点を合わせ、歴史学の中でも新しい分野に積極的に取り組みました。貨幣史や鉱山史、外交貿易、交通史など、多様なテーマにわたり、いずれも充分に検討されていなかった領域です。そのため、小葉田の研究は日本の歴史学に新たな視点をもたらし、多くの後進に影響を与えました。

特に、彼の教え子には著名な日本史学者である田中圭一がいて、彼の教育方針や研究スタイルが後の世代にも継承されています。

著書と回想

2000年には「東方学回想 Ⅷ 学問の思い出〈3〉」が発表され、そこで彼の学問に対する思いが収録されています。小葉田淳の蔵書約2万点は、坂井市立丸岡図書館に寄贈され、2004年より「小葉田淳記念文庫」として一般に公開されており、彼の業績を伝える重要な資源となっています。彼の研究は今後も多くの歴史学者にとって参考となることでしょう。

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