小西ワクサ

小西ワクサ（生年不詳 - 1600年? ）は、戦国時代に生きた女性であり、名はウサ、またはワサとも伝えられています。彼女はマグダレーナという洗礼名を持ち、小西如清、小西行長、小西行景らの母として知られています。

生涯

小西ワクサは、豊臣秀吉の正室である寧々に侍女として仕え、寧々の右腕として大阪城の運営を取り仕切っていたとされています。彼女は、寧々の信頼厚い側近として、城内での様々な業務をこなしていたと考えられています。

永禄2年（1559年）には、息子の如清とともに堺で洗礼を受け、キリスト教に入信しました。当時の堺は、海外との貿易が盛んであり、キリスト教が広まりやすい環境でした。彼女が洗礼を受けた背景には、そのような時代の流れがあったと考えられます。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いにおいて、息子の小西行長は西軍に属して戦いましたが、敗北。その敗戦の知らせと行長の死を知ったワクサは、ほどなくして亡くなったと伝えられています。戦国の世を生き抜いた彼女の晩年は、悲劇的なものでした。

人物像

小西ワクサは、寧々の侍女としてだけでなく、キリスト教徒としても信仰を貫きました。戦乱の時代において、信仰は人々の心の支えとなりました。彼女の信仰心は、息子たちにも影響を与えたと考えられます。

また、大阪城を取り仕切る手腕からも、彼女が非常に有能な女性であったことがうかがえます。戦国時代の女性は、政治や経済の表舞台に出ることは少なかったものの、内政面で大きな役割を果たしていました。小西ワクサもその一人であり、寧々を支え、豊臣家の発展に貢献したと言えるでしょう。

参考文献

『熊本藩年表稿』（細川藩政史研究会 、1974年、356p）
『戦国時代のひみつ　乱世の歴史がわかる本　武将と合戦超入門』（両洋歴史研究会 、2021年、35p）

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